卒業制作優秀作品集2022
生産デザイン学科テキスタイルデザイン専攻
- TOP >
- 卒業制作優秀作品集2022 >
- 生産デザイン学科テキスタイルデザイン専攻 >
- 小堀 きょう
デジタルアバターにおける衣服はポリゴン及びピクセルによる装いであり、実体を持たぬ表面として存在します。
しかし、仮想のワールドが人々の自己表現の場所として確立されつつある今、それは確かにファッションの在り方のひとつであると私は考えます。
現代における自己表現の可能性と自由に、衣服とデジタルという2つの側面からアプローチする試みとして、アバターファッションを実体として落とし込む形で製作を行いました。
ポリエステルの均一なテキスタイルに、転写プリントを用いて視覚的な質感を与えています。
担当教員によるコメント
出来上がった作品展示を見せていただいた最初の感想は、「複合メディアで伝えるテキスタイル作品」だった。テキスタイルが好きで入学した小堀さんは、独特な思考性とデジタルグラフィックな感覚を持っていた。本専攻の卒制は、あたりまえなのだが繊維を用いた物質メディアの表現でもある。その当たり前な仕事ですら大変なのに、そこへ電子メディアを加え物質と双方にまたぐ表現にアタックするという。仕事量が乗数的に増える。結果、不安定な日々が続き、幾度かミーティングを重ねる。だが、目標を見失わず努力をし続ける本人の態度が毎回そこにあった。目標という自分にしか見えない山を心に描き、頑張って登頂できた時に眺めるその景色の中に、未来の自分がいるはずだ。
教授・藤原 大