呼吸するように

今関 華

作者によるコメント

私の作品は自然に興味を持った事から、始まっている。
自然に存在するものたちは、目には見えないが、呼吸し、力強く生きているように感じる。
そのような存在、そのものの佇まいを作品に落とし込むことによりその存在を認識させたい。

担当教員によるコメント

「自然物、中でも大きな木をみたときに感じた内側からのエネルギーや力強さ」に今関は触発された。作品にシンプルな形態を選び、膨らみのある形や表面のゆらゆらとした表情を工夫して高い効果を得た。ただ、おそらく彼女が何よりもこだわったのは、作品のサイズであろう。大きさを求めるだけなら彼女にはまだサイズアップは可能なはずだが、このサイズの焼き物は乾燥と焼成を経て10cm以上縮むので、割れることだけでなく、施したちょっとした視覚的な効果が弱まることをコントロールできないと、作品はハリボテの佇まいに陥る。今関は自分が操れるギリギリの大きさに挑みながら粘土との駆け引きを努力した。結果、内に秘めた静かなしかし大きなエネルギーを表すことに成功したようだ。

教授・尹 煕倉

  • 作品名
    呼吸するように
  • 作家名
    今関 華
  • 作品情報
    技法・素材:陶
    サイズ:H970×W550×D580mm/H600×W580×D850mm
  • 学科・専攻・コース