風景, メリーゴーランド

内野 礼菜

作者によるコメント

私は、自然豊かなキャンパスを歩き回るのが好きだ。誰もいない広大なグラウンドは、いつも明朗としていて静かで穏やかだった。
そのような静かで穏やかな空間を引き裂いてやって来たのは誰なのか。
深層心理に住み着いたもう一人の私かもしれない。

担当教員によるコメント

4年前の入試で内野さんが描いた絵をよく覚えている。大勢の人物が一斉にこちらを向いており、異様な圧を感じる絵だった。彼女の絵の特徴は登場人物の視線であり、彼女自身もそれを意識して描いている。入試作品から一貫しているが、それに固執しているのではなく、日頃から純粋にそれが気になっているらしい。視線が生み出す場の空気感を敏感に察知し絵画に落とし込んでいる。「目」ではなく「視線」という言葉を使っているところに鋭い感受性を私は感じた。特徴的な人物表現だが、スタイルを固定するつもりはないようだ。そのため作品は常に新鮮さを保っている。決まった手法に頼らずに毎回ゼロから描くには体力がいる。スケールの大きな制作姿勢だと思う。

准教授・日野 之彦

  • 作品名
    風景, メリーゴーランド
  • 作家名
    内野 礼菜
  • 作品情報
    『風景』
    素材・技法:キャンバス、油彩
    サイズ:H2590×W1940mm

    『メリーゴーランド』
    素材・技法:キャンバス、油彩
    サイズ:H1300×W1620mm
  • 学科・専攻・コース