ぶんぶんが見る。帰りのお便り、, もう帰ろうか。
仲井真 直
作者によるコメント
生活が形のないまま流れ、つかむ藁もないまま私から去ってしまう。それが寂しくて、でも何もないことが心地よくて。この気持ちだけはいつでも隣に居て欲しいと思うから、絵を描きました。居る奴は誰でもないから、誰かかもしれないです。身を越えてもっと遠くに、そしていつでも帰ってきていいよ、これだけです。
担当教員によるコメント
情景とはなんだろう。風が運ぶ土地の匂い、その湿度と光、そこにあったはずの音や声。そうした漠とした広がりに、自分自身の得体のしれない焦燥感や歓びを重ねあわせることなのだろうか。この絵はまるで大きなスクリーンに映し出された忘れがたき映画のワンシーンのようだ。生まれ育った沖縄の坂の町なのか、あるいは今住んでいる東京のどこかもしれない。多分それはどこでもいい。不思議な旅の途上で出会った普遍的な情景だ。それにしても、夕闇に沈む町で手をつなぎ家路を楽しむこの不思議なキャラクターとの出会いは、この作家にとって画期的だった。4年間、繰り返し描かれ続け、とうとう記念切手にもなったのだ。ポストに投函され、今度はどこに旅立っていくだろう。
教授・石田 尚志
- 作品名ぶんぶんが見る。帰りのお便り、, もう帰ろうか。
- 作家名仲井真 直
- 作品情報『ぶんぶんが見る。帰りのお便り、』
素材・技法:パイン集成材、カオリン、油彩
サイズ:H1170×W913mm
『もう帰ろうか。』
素材・技法:キャンバス、白亜、油彩
サイズ:H2590×W3880mm - 学科・専攻・コース
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