TAMABI NEWS 101号(電脳世界の仕掛け人)|多摩美術大学
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11人事労政本部人事部 採用チーム情報コミュニケーション事業本部 ビジネストランスフォーメーション事業部印刷事業における国内最大手の老舗企業でありながら、成長領域として「健康・ライフサイエンス」「教育・文化交流」「都市空間・モビリティ」「エネルギー・食糧資源」を柱に、未来を見据える。新たな食の創造を通じて世界の食文化を革新する即席麺のパイオニア企業。即席麺を中心に、チルド食品、冷凍食品、菓子、飲料など、幅広いカテゴリーでトップブランドを育成している。菅澤まひるさん(24年グラフィックデザイン卒)本記事は連載企画です。さらに詳しい内容や他企業情報はWebでご覧になれます。デザインルーム デザイナー主体的な行動力と独創的な提案力が事業成長の力になっている自分で考える力とそれを良い形でアウトプットする力が多摩美で身についた食品 パッケージや販促物をメインとしたデザイン制作を担当しています。写真撮影や印刷現場に立ち会ったり、画像のレタッチ、印刷物のチェックなどを行っています。新卒でデザインルームに配属され、入社1年目の秋に任されたのが「日清焼そばU.F.O.」の新商品「日清焼そばU.F.O. 濃い濃いたらこ」のパッケージデザインでした。ロゴ作りを手掛け、麺や素材がおいしそうに見えるように撮った写真を加工・合成し、何度も修正を繰り返すといった細かな仕事を積み重ねていきます。取り掛かりから半年後、完成したときには、当社の商品が創意工夫と妥協なき努力のすえにできあがっているのを実感しました。また、「日清焼そばU.F.O.」は長年お客様に愛されている人気ブランドです。家族や友達に商品名を言えばすぐ分かってもらえますし、自分のデザインした商品がコンビニやスーパーなどの店頭に並ぶ光景を目にしてとてもやりがいに繋がりました。 私がインハウスデザイナーを志望し、パッケージデザインに携わりたいと思うようになったのは、多摩美で就職を意識し始めた頃からなんです。3、4年次の専攻科目でパッケージデザインを選択し、そこでグラフィックデザイン学科の石浦弘幸先生から学べたことも、この職業に就きたいと思うきっかけになりました。石浦先生はさまざまな有名商品のパッケージデザインに携わっておられ、「パッケージデザインは、見た目の良さだけでなく、手に取った人に良い体験を与えることもできる」ということを教えていただきました。授業ではたんにデザインの良し悪しを説いて終わりではなく、買うときに消費者がどのようなことを考えているか、そのデザインを見たときにどういう印象を与えるのか、消費者の視点に立ってデザインの目的を考え、さらにそれをアウトプットする力を養うことができました。そのほか、ロゴデザインや写真表現などの授業を含め、多摩美時代の学びの全てが今の仕事に生きています。 多摩美は自分がやりたいことを自由に表現できる場所であり、それを認めてくれる場所だと思っています。学生のときは学生のときにしかできない自由な表現があるものです。自分が好きなことを曲げず、とことん自由に表現して、社会に出てから役立つ力を蓄えてほしいですね。印刷・制作会社 現在、弊社はDXとSXをキーコンセプトに事業成長を加速させています。弊社が取り扱う商品や領域は日用品などのパッケージ製作から自治体の決済プラットフォームの構築まで、幅広いフィールドが存在します。事業の幅広さから多様な視点を持てる人材が求められますが、弊社に所属する多摩美の卒業生にはその高い素養が感じられます。仕事上の知識や技術習得のみならず、個人としてコンテストに参加して研鑽を図りながら、そこで得たものを仕事にアウトプットし、社外とのコンペでは競合のデザインを分析した上で自社プランをどう磨きをかけるか、といった主体的な行動が見受けられます。課題解決へ導くアイデアや提案力を合わせ持つ多摩美の卒業生のさらなる成長に、今後も期待しています。 現在の部署では、クライアントの販売店セールスで活用するツールのUI、UXデザインの改善業務などを担当しています。これまでさまざまな部署で内容の異なる業務をしてきましたが、目指すべき道はいつも同じで、クライアントが抱える「もっと改善したい」、「どうしたらいいかわからない」といった課題解決のために仮説を立て、ヒアリングを重ね、より良いものを提供できるように取り組んでいくことでした。 大学時代、当初はデザインに漠然とした興味があり、特定のデザイン分野に興味を持っているわけではありませんでしたが、3〜4年生時に参加した永井一史先生のプロジェクトで、人の行動などをデザインすることに興味を持ったんです。社会課題を解決するためにどうデザインしていくかといった点に惹かれ、就職も業界を問わず、デザインの力で人の生活を豊かにできる職種を軸に活動しました。 入社以来、多くの事業を担当しながら、ひとつとして同じ答えがないクライアントの課題をデザインの力で解決に導いていくことは新鮮で、視野が広がる経験をさせていただいたと実感しています。今につながる多面的な物の捉え方ができるようになったのは、大学時代の授業の賜物です。ひとつのテーマに対して、ほかの人のアイデアにヒントを得たり、自分の中にどう取り込もうかと考えたりする経験をたくさん積み重ねられたからです。大学での4年間が、今、目の前の課題解決に対しての大きな支えになってくれています。若竹航輝さん相野谷真理さん(20年統合デザイン卒)多摩美出身者は、ビジネスの最前線からどのような評価を受けているのでしょうか。また、その卒業生たちが学んだ多摩美での4年間は、ビジネスの現場でどう生かされているのでしょうか。さまざまな業界で活躍する企業人たちに尋ねました。TOPPAN 日清食品ホールディングス

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