マーケティング本部ブランドコミュニケーション部デザイングループ 課長マーケティング本部 ブランドコミュニケーション部 デザイングループ食品、飲料の製造・販売、種苗、青果物の仕入れ・生産・販売、健康サポートサービスの開発・販売などを手がける総合メーカー。ブランド・ステートメントは、「自然を、おいしく、楽しく。」。総合電子部品メーカーとして、ファインセラミックス技術を基盤に、情報通信、自動車、環境・エネルギー、医療・ヘルスケアなど幅広い市場において事業をグローバルに展開。本記事は連載企画です。さらに詳しい内容や他企業情報はWebでご覧になれます。研究開発本部統合デザインセンター 責任者研究開発本部 統合デザインセンターソリューションデザイン課11デザインで価値を伝える力が、企業や商品のブランディングを支えている表現力、造形力に加え、コミュニケーション力の高さでクオリティアップに貢献メーカー 弊社は技術力と多角化経営を強みに、ファインセラミックス、半導体部品、通信機器、エネルギーなど、幅広い市場でグローバルに事業を展開しています。近年のテーマのひとつが、顧客のニーズに応じた製品やサービスづくりの体制を統合すること。デザイナーがその役割を担い、デザインをハブとするため、仕事は広範囲に及び、重要度も増しています。 現在、京セラには8名の多摩美OBが在籍。共通して造形力や表現力に優れています。多摩美の自由な学びの環境が、豊かな感性を育むのではないでしょうか。デザイナーの役割は変化しています。当社でいえば、コンセプト力やビジネス視点などが求められるようになりました。そうした新たな役割を頭に置いて、多摩美卒の皆さんの優れた造形力や表現力を発揮してもらいたいと思っています。 京セラに入社してデザインの業務の幅広さに驚きました。電動バイク専用のバッテリーステーションの外形デザイン、京セラ主催のトークイベント「異種格闘技戦」のメインビジュアルとなるバナーやSNS広告、フライヤーなどのデザイン、直近では京セラ「ファインキッチンシリーズ」のパッケージデザインのリニューアルを現在進行形で手がけています。幅広い分野のデザインに携わることでデザイナーとして成長し、それがやりがいにつながっています。 多摩美で学び、卒業できたことは、デザイナーとして仕事に向き合う日々の自信になっています。中でも厳しく指導していただいた中田希佳先生の存在は大きく、 深く心に刻まれた中田先生の言葉があります。プロダクトデザインの既存のアプローチは私には不向きとしたうえで、「これからのプロダクトデザインは製品の背景にあるストーリーや体験といった部分まで想定することが大事になってくる。領域が広がっていったときに、宮□の持つ力は生きてくる」と。期待に応えたいです。また、多摩美には各種デザイン機材が充実していて、入社し3Dプリンターなどの機材をすぐに使いこなせたのもアドバンテージになりました。食品 私たちの部署はカゴメ全商品のパッケージデザインをディレクションし、ブランディングを一貫して表現を統一する役割を担っています。マーケティングやディレクション力を含めた総合的なスキルを高め、「カゴメをどう伝えるか」を意識して取り組んでいます。 今、クリエイティブに関わる人に求められるのはデザインの技術だけではありません。開発者の提案をふくらませてお客さまにとっての価値に変換し、明確にデザイナーに伝える力が必要です。また、多くの人が関わる業務でもあるため、プロジェクトマネジメント力も重要です。デザイン組織としては、美意識を持って取り組む姿勢が欠かせません。美大卒の方には、身につけたスキルとともに、心のうちにある美意識を大事にして、それぞれの力を発揮してほしいと思っています。 私は主に、「野菜生活100」季節限定シリーズのパッケージデザインのディレクションに携わっています。デザインではブランド価値を守りつつターゲットに魅力的に伝えることを意識しています。例えば、子ども向けの「野菜生活100あまなつ&オレンジミックス」では「かわいい!おいしそう!」と思ってもらえるように工夫しました。私たちの業務は開発初期からチームで関わっていきます。ゼロからつくり上げることにやりがいを感じますし、メンバーの皆さんと意見交換し、試行錯誤しながら形にしていく過程は楽しいです。さらに、完成品が店頭に並び、お客さまに手に取っていただけることは大きな喜びです。 多摩美では1、2年生でデッサンなど基礎力を強化することができました。カゴメのパッケージ制作では、果実や野菜の魅力を表現することが大切です。私はディレクションを担当していますが、自分自身に基礎力があるとデザイナーへの依頼がスムーズです。3、4年生ではプレゼンを重視する教授のもとで学び、「言葉でデザインを表現し、価値を伝える力」を培うことができ、現在の業務に活かせています。また、クラブ活動などで幅広い人と交流し、多様な感性や才能に触れられたことも大きな刺激になりました。野村祥子さん中島天音さん(23年グラフィックデザイン卒)北村和生さん宮﨑萌さん(23年プロダクトデザイン卒)多摩美出身者は、ビジネスの最前線からどのような評価を受けているのでしょうか。また、その卒業生たちが学んだ多摩美での4年間は、ビジネスの現場でどう生かされているのでしょうか。さまざまな業界で活躍する企業人たちに尋ねました。カゴメ京セラ
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