TAMABI NEWS 102号(世界で輝く力)|多摩美術大学
8/16

80年プロダクトデザイン卒業 私は1980年にプロダクトデザイン学科を卒業後、諏訪精工舎(現セイコーエプソン株式 「世界で輝く力」という文脈では、2024年にアメリカ・ペンシルベニア州のフィラデルフィア美術館の提携団体Collabが主催する「Collab Design Excellence Award」という賞を日本人として初めていただくことができました。これを受け、2024年12月13日から2025年会社)での勤務を経て、シリコンバレーにあったIDTwo(現IDEO)で約8年間勤務した経験があります。そして、帰国後、IDEO日本支社を立ち上げた後に独立。主にヨーロッパの企業の仕事を手がけるようになりました。こうした海外での経験が、私のデザイン思想4月20日まで、フィラデルフィア美術館で個展「Naoto Fukasawa Things in Themselves」を開催しました。現地を訪れ、ガエターノ・ペッシェ、ザハ・ハディッドなど、過去受賞者の顔ぶれを見て、改めて偉大な賞をいただいたのだと実感しました。に大きな影響を与えているのは間違いありません。 大学卒業後すぐに就職した諏訪精工舎は、時計業界における最高峰の技術者がおり、給料も高い。時計の部品をつくる工作機械も自作するような社風にも共感しました。ここで 私はアメリカ、ヨーロッパなどでデザインの仕事を経験してきましたが、世界を舞台に活動するのは、決して特別なことではないと思っています。もし世界との接点がないと思うなら、それは「気づいていない」だけです。学生の皆さんには、ぜひ世界との接点を自ら見つける努力をしてほしいと思います。 私は現在、多摩美術大学副学長として、次世代のデザイナー育成にも力を入れています。2014年の統合デザイン学科設立に参画し、学科長を務めてから現在に至ります。もともと私は、「プロダクトデザイン」「グラフィック深澤直人副学長に聞く「世界で通用する力」左:B&B Italia『Grande Papilio』(Image courtesy of B&B Italia)、右:EMECO『ZA BAR STOOL』08デザインの役割とは、混沌から秩序をすくい上げること プロダクトデザイナー/多摩美術大学副学長 深澤直人 FUKASAWA Naoto他分野と融合しデザインの可能性を拡張させ社会に新たな価値を創り出せる力が必要「Collab Design Excellence Award」受賞デザインで世界をリードし続ける

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る