0904年情報デザイン卒業左上:水で曲がる紙クリップ『クリップファミリー』、左下:須貝さんが初めて手掛けた『ひげ付箋』須貝さんのアイデアスケッチ。そのファイルは何冊にも及ぶすがい・ゆうデザイン会社やメーカーの商品部勤務を経て、2011年に「スガイワールド」を立ち上げる。「Happy Design Gift Maker」をコンセプトに、商品の企画・デザインを手掛けている。2018年に文房具屋さん大賞クリップ賞第1位、2023年にLIFE×DESIGNアワード ベストサスティナビリティ賞を受賞。 2011年に遊び心あふれる商品を企画・製造するメーカー『スガイワールド』を立ち上げました。スガイワールドでは、私自身が商品の企画やデザインを手掛け、ユニークでありながら環境にも配慮したプロダクトを数多く生み出しています。 もともと会社員時代から、通勤電車の中で日々の生活をちょっと快適にするアイデアをノートに書きためるのが習慣で、それを誰かに見せて、反応をもらうことが楽しみのひとつでした。 そんな日々の中で「そのアイデアを形にしてみたら?」と背中を押してくれる人が増えていき、アイデアのひとつである「ひげ付箋」を制作したことが活動の始まりです。最初は「本当に売れるのだろうか?」という不安もありましたが、発売から半年足らずで4000個の在庫が完売。その利益を元手に「クリップファミリー」「アニマルハグ」「ティップトーズ」「モンスタークリップ」など、新しい商品を次々と生み出していきました。 私が目指しているのは、手にするだけで気分が少し上がるようなものをつくることです。例えば「ひげ付箋」は、使う人に楽しい気持ちになってもらえたらという想いから生まれました。生活必需品でなくても、日常の中に小さな喜びや余白をつくる。そんな商品を形にすることが、自分の役割だと考えています。 スガイワールドのコンセプトは「Happy Design Gift Maker」。普段から「付箋が付け髭だったら面白いな」、「ドアノブがスノードームだったらかわいいのに」といった、日常の道具に潜む面白さを見つける視点を大切にしています。もちろんアイデアやデザインは大切ですが、それ以上に資源を供給する人、印刷・流通に関わる人、そして使う人まで、関わるすべての人が幸せになれるものづくりを意識しています。そのため、FSC認証紙など環境負荷の少ない素材を使い、製造から廃棄までのプロセスを丁寧に考えることを心がけています。 現在の活動の背景には、多摩美時代に築いた人間関係が大きな影響を与えています。ほぼ24時間生活を共にし、仲間とチームで何かをつくり上げた経験は、今の自分の土台です。当時の仲間はそれぞれ異なる分野で活躍していますが、そのつながりは今も力になっています。多摩美で得たのは技術以上の、人とのつながりとものづくりを楽しむ感覚。そして、まずやってみようという空気感が、現在のものづくりへの姿勢につながっています。関わるすべての人が幸せになれるものづくりを意識している生活を潤す 道具の力 株式会社スガイワールド代表取締役 日常の道具に潜む面白さで手に取った人を笑顔に変えたい須貝 悠 SUGAI Yu
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