TAMABI NEWS 104号(アニメーションだからできること)|多摩美術大学
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2025年10月、木下麦さんが『オッドタクシー』に続いて監督を務めたアニメーション映画『ホウセンカ』が劇場公開された14年メディア芸術卒業 僕にとって初監督作品となったアニメ『オッドタクシー』とその劇場版の制作を終えた後、脚本で参加していた此元和津也さんと、もう一度新しいアニメをつくりたいと一緒にブレストしながら制作したのが、昨年公開された映画『ホウセンカ』でした。僕は学生の頃に課題を通じて、「閉鎖的な環境や心理からの脱出」というものを自身の根底に流れるテーマとして見出し、以降そのテーマを据えて制作に取り組んできました。本作でも服役中の主人公による回想を物語の中心に配置し、彼と周囲の人々の状況や心理の変化を描くというコンセプトから制作をスタート。最初は短編作品の予定でしたが、脚本や絵コンテを進めているうちに90分の内容になったため、映画というフォーマットに決まりました。『ホウセンカ』を制作するにあたって最大のチャレンジは、人間の“お芝居”をアニメで丁寧に表現することでした。ファンタジーに寄せすぎず、人間らしい感情や日々の営みをドラマとして描きたかった。そこで、以前の作品と比較すると等身が高めのキャラクターを登場させたのですが、これが今までになく困難な経験になりました。『オッドタクシー』で描いたようなデフォルメの利いたキャラクターは、ある程度動きに誇張や嘘を入れても不自然さが生じにくいんですよね。しかし、人間の動きは誰もが見慣れているため、ちょっとした違和感が物語への没入を妨げる要因になってしまいます。『ホウセンカ』の劇中には、堤という男が主人公・阿久津の家を訪れ、椅子に座って服からタバコを取り出し、実際の景色とは違った表現ができるところが面白い アヌシー国際アニメーション映画祭に『ホウセンカ』を出品 作品が世界中に広がりやすい強みを生かし実写とは異なるアニメの可能性を追求し続けたいアニメーション監督02「生命のないものに生命を吹き込む」というラテン語の「anima(アニマ)」に由来するアニメーション。表現の手段に選んだ卒業生たちがどんな可能性を引き出しているのか、それぞれの作品や仕事からその魅力を探ります。木下麦 KINOSHITA Bakuアニメーションだからできること

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