TAMABI NEWS 104号(アニメーションだからできること)|多摩美術大学
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できること▲『キュー』木原さんの最新作『キュー』。独特のタッチはPhotoshopの筆ペンツールによるもので、デジタルとアナログの境界的な違和感が狙いにある25年大学院グラフィックデザイン修了上:『トモヤ!』、下:『ヤポラポンキー』きはら・まさたか多摩美術大学在学中に制作した作品『トモヤ!』、『ヤポラポンキー』がアヌシー国際アニメーション映画祭にノミネートされ、続く作品『キュー』でロッテ・ライニガー賞を受賞。『キュー』はルンド・ファンタスティック映画祭にもノミネートされた。 アニメーションの魅力は、その表現の幅広さにあると考えています。自分が描きたいと思ったイメージに対して、キャラクターのビジュアルや動き方、物語の有無、時間の使い方まで、無数のパターンから自由に選択できる。例えば私の作品では、実写で撮影した映像をトレースしてアニメーションを制作する「ロトスコープ」という技法を多用しています。実在する人間や景色を素材にしながらも、それをアニメーションの中で自由にコントロールできるところに面白さを感じ、主な作画方法として用いるようになりました。 ロトスコープという「動き」の技法にこだわりを持つ一方で、現在はアニメーションの動きによって生み出される感動よりも、各シーンの間の取り方といった時間的な要素に価値を感じています。もちろんまったく動かないアニメーションがいいというわけでなく、映像の進むテンポを制御し、動かないことで生まれる余白も大切にしたいということです。私の場合、作品全体の時間も最初に決めるのではなく、描きたいものに対して最適な長さに調整しています。ひとつのアイデアで勝負するのに適した形として、これまでは短編を選んできました。 私はアニメーションを制作する際、特にメッセージを意識しません。それは観た人が自由に感じ取るものだと思っているからです。私にとって制作のきっかけになるのは、全体のムードや色調といった漠然としたイメージです。多摩美の修了制作『キュー』も、日本の短編アニメーションではあまり見ないような暗いトーンで作品をつくりたいという発想から始まり、そこに登場人物や物語を付けていきました。フランスの映画祭で上映されることになった際は、この暗くて動きの少ない作品が海外の人々に受け入れられるのか不安もありました。ただ、実際は自分が想像していた以上に多様な解釈を聞かせていただき、大きな刺激をもらいました。 アニメーション制作と出会ったのは、学部2年次の授業でした。もともと映像作品にほとんど触れてこなかったのですが、すべての工程をひとりで担当できることや、自分の考えを「時間を持った作品」として残せることに魅力を感じてのめり込んでいきました。 技術の進歩により、誰もが気軽にアニメーションをつくれる時代になりました。だからこそ、これからは作家自身の魅力が求められるようになると考えています。作品の面白さ“時間を持った作品”として自分の考えを残せるアニメーション作家アニメーションだから アヌシー国際アニメーション映画祭で受賞 はもちろん、「この人の作品だから観たい」といってもらえる存在になることが目標です。05動きの少ない作品が海外の人たちに伝わったとき自分の想像以上に多様な解釈が生まれる刺激木原正天 KIHARA Masataka

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