TAMABI NEWS 104号(アニメーションだからできること)|多摩美術大学
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▲『KRASUE』トレーラー11年情報芸術コース卒業NHKみんなのうた「にゃんこの哲学」©NHK/ひらのりょうひらの・りょうアニメーション作家として、短編作品『パラダイス』や『KRASUE』などで国内外のアニメーション映画祭に参加。NHKEテレ『みいつけた!』の「もじゃもじゃ」コーナー、NHKみんなのうた「にゃんこの哲学(うた:黒猫同盟)」のアニメーション制作も担当。また、漫画家としても活動するなど、幅広い分野で活躍している。 僕の作品は、シュールでヘンテコで、少しわかりづらいかもしれません。でもキャラクターはできるだけポップでかわいくしたいと思っています。親しみやすいビジュアルがあるからこそ、違和感やズレを入れられる。そのバランスを意識しています。 影響を受けたのは、水木しげるの妖怪や『デジモン』、『たまごっち』、『ウゴウゴルーガ』といった、子どもの頃に夢中になったものたち。好きだったものこそが、自分のオリジナリティの正体なんじゃないかと思っています。 多摩美で出会った世界も大きかったです。当時、山川冬樹先生に学外の展示やパフォーマンスに連れて行ってもらい、「こんな表現があるのか」と衝撃を受けました。共通授業で知ったイーゴリ・コヴァリョフの短編『ミルク』もそうです。正直、最初はよく分からなかったけど、理解できないものが堂々と存在していることに、強く惹かれました。インディペンデントアニメーションには、世界の多様さがそのまま表れていると感じたんです。ですが、制作において誰かのスタイルをそのまま真似しても、あまり意味がない。イーゴリ・コヴァリョフの持つ背景や文化までコピーすることは当然できない。だからこそ、自分のバックグラウンドに引き寄せて、自分の文脈で組み直すことが大事だと思っています。 制作の初期段階では、必ずモチーフをリサーチします。最初は「なんとなく惹かれる」という直感でも、なぜそれが気になるのかを掘り下げます。『パラダイス』という“歯”が出てくる作品でも、事前に歯の文献を読んだり、関連する表現を調べたりしながら、自分がなぜそのモチーフに惹かれたのかを言葉にしていきました。この言語化は、作品の芯をつくるためでもあり、その芯を見失わないためのセーブデータのようなものです。 ですが、実際に制作が始まれば、理屈どおりにはいきません。自分の中では論理的に組み立てているつもりでも、手を動かすうちに、思いがけない飛躍が起こる。完成してから「なんでこうなったんだろう」と思うこともあります。意識的に困惑させようと思ったことはなくて、むしろ、自分なりに親切につくっているつもりだけど、説明しきれない余白が生まれてしまう。でもそれも含めて、アニメーションの魅力だと思います。 僕は、人や物の中に潜んでいる、ちょっとした違和感や世界の気配をすくい上げたい。そのへんに転がっているものから、どこまで想像力が広がっていくか。その可能性を探ることが、僕がアニメーションをつくり続けている理由だと思います。Photo by Keiko Mizukai アニメへの進路を定めたきっかけの作品『河童の腕』東南アジアのある都市で、マフィアの抗争に巻き込まれたヤクザが「ガスー」と呼ばれる妖怪に出会う物語『KRASUE』/©2021 Ryo Hirano/FOGHORN/CAUZSUCH理解できないものが堂々と存在していることに強く惹かれた NHK『みんなのうた』などでアニメーションを制作 手を動かすうちに思いがけない飛躍が起こり説明しきれない余白が生まれるアニメーション作家/漫画家06ひらのりょう HIRANO Ryo

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