TAMABI NEWS 104号(アニメーションだからできること)|多摩美術大学
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できること髙山さんが手がけた『君たちはどう生きるか』の背景画。左、右上は宮崎駿監督、吉田昇美術監督から高評価を受けている19年日本画卒業スタジオジブリ研修中の髙山さんによる模写たかやま・みのり多摩美術大学在学中にスタジオジブリによる劇場アニメ『君たちはどう生きるか』に背景美術として参加。2025年公開のアニメ映画『ひゃくえむ。』など、卒業後もアニメ作品の背景美術や手描きによる絵画作品の制作を続けている。 日本画専攻在学中に宮崎駿監督の映画『君たちはどう生きるか』の美術スタッフ募集に応募し、計4年間にわたり、背景画の制作に携わりました。現在は中学校で美術科講師をしながら、フリーランスで主にアニメ作品の背景画の仕事を続けています。 私は絵を描くことが好きだったので、アニメというより、スタジオジブリ作品に興味があり、この世界に入りました。中学生の頃に『となりのトトロ』などの背景美術を手がける男鹿和雄さんの画集と出会い、いつかこんな絵を描いてみたいと憧れていました。『君たちはどう生きるか』の背景画スタッフは、はじめは私を含む新人5名と監督2名の少数チームでした。戦時中のパートでは、青空がパーンと抜けるような明るい色調ではなく、鈍い色調が求められたのが印象的でした。 スタジオジブリ作品の背景画は、独立した風景画のような存在感が特徴です。そこには、手描きならではの言葉にできない情報量があるのだと思います。手描きの絵には、ダメだったらはじめからやり直しということも多々ありますが、時にはミスも活かして描き進めると思いもよらない色に出会えるような偶然性があるのも魅力です。制作過程の迷いや判断の積み重ねが完成した絵の中に厚みとして残る気がします。 私は2年半で約130枚の背景画を描き上げました。特に大判を担当することが多く、日本画専攻で100号くらいの作品を日常的に描いていた経験が活かされたと思います。大学でも「光」や「空間の表現」を評価される機会が多かったので、それを意識してひたすら描きました。月1回程度のラッシュ(確認作業)で、描いた絵が動き出し、物語になる瞬間を見たときの感動は今も忘れられません。 CG全盛時代ですが、私は手描きの背景画を描き続けたいと思っています。絵画の個展も地道に続けていくつもりです。精緻に描き込まれていて、技術的に高度な絵でも、情報が密すぎると見ていて息が詰まることが、私にはよくあります。逆に技術力が高く、情報量も多いのに、なぜか風通しがいい絵もある。何を省いて何を残したか、そういう感覚的な選択が作品に出ているのだと思います。自然物に限らず、机や椅子のような固いモチーフでも、見ている人が「無意識に呼吸しやすくなるような絵」を描けたら、それが自分にとって理想に近い状態だと思っています。ジブリ作品の背景画は独立した風景画のような存在感作家アニメーションだから スタジオジブリの作品で背景を担当 07制作過程の迷いや判断の積み重ねが完成した絵に厚みとして残る髙山美乃里 TAKAYAMA Minori

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