TAMABI NEWS 104号(アニメーションだからできること)|多摩美術大学
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初の長編アニメとして企画・制作中の『水江西遊記(仮)』メインビジュアル07年大学院グラフィックデザイン修了▲監督作『ワンダー・フル!!』劇場予告編みずえ・みらいフリーランス活動を経て、株式会社ミライフィルムを設立し、短編のオリジナル作品やCM・MVのアニメーションを制作。作品がヴェネチア国際映画祭、ベルリン国際映画祭で正式招待上映され、アヌシー国際アニメーション映画祭では2度の受賞歴を持つ。JAA日本アニメーション協会会長も務める。 私はアニメーション作家として、細胞や幾何学模様といった抽象的なモチーフを用いた作品づくりに取り組んできました。つまり、物語に依存しない“ノンナラティブ”な表現を追求してきたんです。ストーリーが重視されやすいアニメーションの世界において、こうした作品は“実験的”だと評されることも少なくありません。しかし私としては、「アニメーション」という概念をより広い意味で捉える試みだと思っています。それを強く実感 し た の は、2014年 に『WONDER』 と い う作品でベルリン映画祭に参加したときのこと。この作品は、1日に24枚の絵を描いて1秒間とし、365日分をつなぎ合わせてアニメーションをつくるプロジェクトです。自分としては、誰も見たことのない映像的な刺激を求めてつくった作品でした。ところが、それを観てくれた現地の女性から「あなたの作品を観てカラフルな服を着ようと思いました」という感想をもらって(笑)。自分の意図とは違っていたのですが、予想もしないところで人に影響を与えることができたように思えたんです。むしろ既存の表現に縛られていないからこそ自由に想像を膨らませて楽しんでもらえたのだと、アニメーションの持つ無限の可能性を信じてみようと感じた瞬間でした。 学生を教える立場となった現在も、多様な事例を示すことで表現の可能性を広げるよう心がけています。例えば「人形劇」は、厳密にいうとアニメーションではないかもしれません。しかし、私としては限りなく近しい表現だと考えて授業で紹介しています。「アニメーションとは何か?」という定義は非常に難しく、短絡的にひとつの答えを出してしまうことが表現の幅を狭めてしまうこともあります。私としては、その問いについて考え続けることに創作の楽しさがあると思っています。そのため、学生に多様な表現に触れてもらうことによって、幅広い可能性を提示することが重要です。その結果として、アニメーションの定義を拡張するような作品づくりに取り組む学生の姿を見ることが私にとって大きな喜びになっています。 私自身、現在も新しい表現への挑戦を続けています。そのひとつが、冒険活劇『水江西遊記(仮)』の制作。これまでの抽象的な作品とは異なり、膨大な量の脚本に基づく物語になる想定です。こうした挑戦を通じて、自分を知らない観客にも作品を楽しんでもらうと同時に、何気なく劇場に足を運んだ人々が意外なアニメーション表現に出会うきっかけをつくりたいと思っています。アニメーションに定義はない予想外な影響を与える無限の可能性 「ノンナラティブ」なアニメーションの第一人者 言語や物語に頼らないアニメーションだからこそ立ち上がる“物語”のイメージアニメーション作家/多摩美術大学非常勤講師細胞や幾何学図形をモチーフにした短編アニメーション『ETERNITY』荒廃したテーマパークをテーマとした『DREAMLAND』08水江未来 MIZUE Mirai

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