TAMABI NEWS 74号(上野毛キャンパス特集)|多摩美術大学
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3 年⽣による上演制作実習(2017年度)=今秋、多摩美術⼤学 上野⽑キャンパ ス にて │ 卒業制作(2017年度)=[演劇専攻]12 ⽉ 23、24、25⽇ [舞踊専攻]2018年1⽉13、14⽇2016年度『ダンスゼミ上演制作実習』 監修=勅使川原三郎 演劇舞踊コース舞踊専攻⽣全員が独⾃に振付し、⾐裳・演出も⼿掛けた。また照明コース専攻⽣は、舞踊発表すべての作品にてプランニングを務めた。『AKURO 悪路』フライヤー2017年度発表作品『⼤⼯』 作・演出=柴幸男 演劇舞踊コース演劇専攻 柴幸男ゼミ、舞台美術ゼミ、照明ゼミ、⾐裳ゼミで学ぶ学⽣が合同で取り組んでいる。(写真は4年⽣の『⼤⼯』稽古⾵景)※詳しくは P16 をご覧ください。 3 年次の専⾨課程に⼊ると、「演劇舞踊コース・劇場美術デザインコース」両コースの学⽣が連携し、それぞれの専⾨性を発揮してひとつの舞台を作り上げる、上演形式の実習を⾏います。学⽣が携わる制作の範囲は、企画・提案・作品発表など、プロの公演と同じ本格的なもの。作品は、上野⽑キャンパスにて上演されます。 4 年次にはその集⼤成として、劇場を借りて外部に作品を発表する「卒業制作」を⾏います。2016 年度 3 年次上演制作実習では、各界第⼀線の作・演出家でもある教員らが⼿がけるということもあり、⼀般の舞台ファンはもちろん業界内でも⼤きな話題となりました。また、謝珠栄ゼミでは、上演実習作品ミュージカル『AKURO 悪路』のフライヤーを、統合デザイン学科の岡本健先⽣に依頼。3 年⽣有志 5 名が取り組み、複数提出されたデザイン案から1つが、実際のフライヤーとして採⽤されました。本年度も引き続き有志を募ってフライヤーデザインに取り組むなど、統合・演劇舞踊デザイン両学科が連携した取り組みができるのも、上野⽑キャンパスの特⾊のひとつです。11演劇舞踊コース・劇場美術デザインコースの集 ⼤ 成「上演制作実習」演者と美術家それぞれの 学 ⽣が 輝く⼤⼀番「映画『⾷堂かたつむり』スケッチ」(須藤桂⼦) 実 際 に映画化された脚本をもとに、スケッチ・平⾯図・⽴⾯図・素材・装飾計画・造園計画・⾐裳デザイン・模型・構図撮影まで、プロと同じプロセスで美術計画した作品。学⽣でありながら、すでにテレビ局や映画制作会社といったプロの現場で研鑽を積んでいる学⽣たち。「映像美術」を選択した3年⽣に、これまでの学⽣⽣活で感じたことや、進みたい道について聞きました。―実際に⼊学し、学んでみて感じたことを教えてください。市橋 1、2年⽣ のときは 基 礎 的 な 知 識 を学ぶことがメインで、早く演劇舞踊コースの⼈たちと⼀緒に作品づくりを 実 践し た い な 、と思っていました。でも、学外授業で⾏ったテレビ局⾒学には興奮しましたね。好きな番組の、本物の⾐裳や⼩道具がそこにある、と。最初はミーハー⼼もありましたが、リアル に 感じたことで 、より、デ ザイン を やりたい 思 い が 強まりました 。外川 1 年次は⾟かったですね…。⼿描きで⼤量の図⾯づくりをし たりとか(全員頷く)。平岡 でも、⼿描き制作という基礎を経験したからこそ、パソコンソフトの使⽤⽅法を学んですぐ、デザインワークに必要なほとんどのソフトを使えるようになりましたよね。課題を仕上げるためには、短期間で覚えざるを 得 なかったのですが。外川 今は、1⼈1台 M a c が 使 えるし、贅沢な環境ですよね。市橋 そうですね。今なら1、2年次 の 基 礎固めがどれだけ重要だったかがわかります。カリキュラムはプロの世界で⾏われていることを疑似的に実践するような内容で、即戦⼒になれることを想定しているんだな、と。成瀬 カリキュラムと⾔えば…。⼈気⾳楽劇場美術デザインコース 3年⽣インタビュー「エンターテインメント番組『SONGS』スケッチ」(成瀬柚⽉) 学⽣各⾃が、アーティストと楽 曲3∼4曲を選 択 。スタジオセットのデザインを、照明計画やセット転換までトータルに発想して、プレゼンテーションを⾏った。番組のデザイナーがオブザーバーとして来られて、ご本⼈を前にその番組のスタジオセットの デ ザインをプレゼンしました ね 。 圧倒されたというか、すごい経 験でした。平岡 現 役の ⽅ だけあって、『カメラスペースはどこにあるの? 何台使う気?』といった 具体的なコメントをいただけましたし。すごく勉強になりました。―本コースだけの、他にはない魅⼒は何ですか?成瀬 良くも悪くも授 業や課 題の量が多いことでしょうか 。 締 め 切りま で に 仕 事 を 要領よくこなすテクニックは、今後どこに⾏っても⽣ か せると思 います。外川 それから映像や特殊美術、⾐裳などすべての講師が、まさに 今 、各 業 界 の 最先端で活躍されている⽅だという点ですね。他にはない最⾼の環境だと思います。市橋 意識が変わる、という点 でしょうか 。私はテレビの観⽅が変わりました。ドラマを観ていても、壁に照明当たり過ぎ! とか、この 部 屋 はセットか な 、とか…。視聴者ではなく、作り⼿側の⽬線になったと思います。成瀬 学外授業で、プロの現場を⾒ると、どうしてもそうなりますよね 。 この 世 界 で働くことを 前 提 に 、⽣ きた 学 び が 得 ら れ ると思います(全員頷く)。 プロの 現 場に触れて、⽬標を⾒つけた外川絵梨さん 漠然とデザインの⽅向を志していたものの、⼊学当時は特に具体的に「何がしたい」というものはなかった。だが、特に学外授業で数々のプロの現場に触れたことで、新たな興味と⽬標が⽣まれた。私の夢、そのもの の 学 科市橋花菜⼦さん もともとテレビドラマが好きで、「セットを⼿がけたい」と、⼤学のデザイン学科を志望。そんなとき、美 ⼤の中に「やりたいことの ドンピシャの新しい学科がある」と知って衝撃を受け、迷わず⼊学を決意。建築美術への興味から映像美術へ平岡未帆さん ⾼校時代は建築やインテリアに興味を持ち美⼤を⽬指したが、本コースのことを知り、「映像美術の世界であれば、既成の枠に囚われずにより創造の可能性が広がるのでは」と、期待を抱いて志願。テレビの 裏 側で 学んでいます成瀬柚⽉さん 演劇好きだったことから、舞台美術を志して本コースへ⼊学。だが、⼊学後に学外授業でテレビ局や映画制作の現場を⾒学したり、そこでアルバイトをした経験から、現在は映像の世界に強く惹かれている。

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