TAMABI NEWS 76号(パブリックアート特集)|多摩美術大学
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9『GRAVITYDAZE2GRAVITYCAT重力的眩暈子猫』後輩たちへク!その世界観と大掛かりな撮影セットが話題となった。乃木坂46・伊藤万理華さんと子猫が無重力空間で大パニッカンヌ国際広告祭、C告祭全てでゴールドを受賞。©2015「星ガ丘ワンダーランド」製作委員会『星ガ丘ワンダーランド』初の映画監督作品。小さな遊園地がある田舎を舞台に、母の死から導かれる家族の■を追ったヒューマンドラマ・ミステリー。主演中村倫也、新井浩文・木村佳乃・菅田将暉・佐々木希・杏ほか豪華キャストがそろう。資生堂ウェブムービー『Highという驚きの展開で、公開一ヶ月で800万再生を記録。世界三大広告祭全てでゴールド受賞。School Girl ? lioAwards、OneShowの世界三大広モノを作り表現する以上、社会と繋がっていた方がいい。そして自分の作品の価値というものを意識することが大切です。絵は年を取ってからでも描けますが、若いうちでないと学べないことをやった方が得(笑)。僕が一度就職したのも、貴重な体験でした。今この時でしかできないことを精一杯経験してください。メ思ーってクい女た子ら高…生、の実ヒはミ全ツ員』 女「装し女た子男高子校だ生っだたと」絵画とアニメの技法をベースとした映像表現で、CMを中心に活動。2016年『星ガ丘ワンダーランド』で映画監督デビュー。2015年、資生堂『High School Girl?メーク女子高生のヒミツ』、任天堂『Pokémon GO』、2017年“重力猫”ムービー『GRAVITY CAT』など、手掛けた作品はネット動画再生数でも話題に。社会と繋がることの重要性を痛感 「僕は作品を、誰にどう見られたいのだろう?」。在学中、そんなモヤモヤを現代美術家・村上隆さんを招いての講義でぶつけたことがひとつの転機となりました。「社会と繋がり、自分の価値を理解すべき。作品は、ちゃんと“商品”にならなければ」と言われ、衝撃を受けたのです。勧められて村上さん主催のアートコンペ『GEISAI』に参加したのですが、初回はまったく相手にされず悔しくて。でも毎年出展をするうちに、人の目にとまるにはそれなりの計算が必要だということが分かってきて、3回目で銀賞を受賞したとき初めて“社会的価値がある作品”になったことを実感できました。さらに、「もっと外と繋がりたい。同世代の人たちに作品を見てほしい」という思いから、当時ヒップホップやグラフィティ(壁などに描かれる落書き風アート)にはまっていたこともあり、大学の仲間とクラブでライブペインティング(描く過程を見せるパフォーマンス)を始めました。すると大勢の人にもてはやされるだけでなく(笑)、学内外に仲間の輪が広がっていきました。うれしかったですね。 そうした活動を通して、やがて動画への興味が強まった僕は、卒業後はCM監督を目指して就職し、フリーランスとなって今に至ります。映像監督としての僕の強みは、やはり油画で学んだ基礎があり絵が描けることでしょうか。同業界には絵コンテを描けない監督も多いのですが、彼らはその代わり、スタッフの技術を最大限に引き出す能力に長けている。対して僕は、なんでも自分でやっちゃえ、みたいな自主制作スタイル(笑)。双方に利点があるとは思いますが、そんな僕のスタイルを評価し集まってくれる人たちに助けられながら活動を続けています。また、作品作りのために、多摩美の繋がりで在学生に協力してもらうこともよくあります。卒業後にこのような交流が持てることも、多摩美ならではの良さですね。専攻した学科の枠を超えて活躍するアーティストたちがいます。柔軟な表現力で異分野に挑み、時にジャンルを切り拓いて多彩な可能性を体現している彼らは、多摩美時代にどんな学びを経て今に至ったのでしょうか。次々と話題作を生み出し注目を集める卒業生たちを紹介します。>>>映像監督柳沢翔05年 油画卒業

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