TAMABI NEWS 77号(映像特集)|多摩美術大学
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グラフィックデザイン学科では、2年生全員が履修する基礎課程の「基礎デザインとなったTVアニメ。『ポプテピピック#1「出会い」(2018年)』 ©大川ぶくぶ/竹書房・キングレコードシュールな内容と今までのアニメのルールを無視した作風や演出で話題[映像授業④]ビジュアルコミュニケーション の一つとして出会う タマグラアニメーショングラフィックデザイン学科「基礎デザインII■A」 「アニメーションI・II」 「アニメーション原論」6II」において、前期課題「ムーブメント」で15秒のアニメーション作品を、後期課題「映像」で60秒以内の映像作品を、それぞれ制作します。それらの課題を通して、学生にアニメーションおよび映像制作の面白さと可能性を体験してもらいます。その上で興味を持った学生が3年次からの専門課程で「アニメーションI」を履修し、より高度な作画、作話、絵コンテ作法、コンピューター操作など、制作に必要なスキルを学びます。前期課題「ワンセンテンス・アニメーション」は、「誰が、いつ、どこで、何をどうした」といった創作文を考えて、それを基にストーリーのある作品を制作。後期課題「ワンビジュアル・アニメーション」は1枚のイラストなどからイメージをふくらませ、MV、立体アニメ、抽象アニメなど、より自由なアニメーション表現に挑戦します。1987年多摩美術大学グラフィックデザイン卒業、株式会社ロボット入社。CMディレクターとして活動後、さまざまな手法のアニメーション作品を制作。オリジナルアニメーション作品の他、CM、テレビ番組、展示映像、Web、絵本、イラストレーションなど幅広く活動中。AC部(左から安達亨さん、板倉俊介さん) 1999年、本学グラフィックデザイン学科在学中に結成した、安達亨さん、板倉俊介さんによるクリエイティブチーム。当時のメンバー安藤真さんを含む3人で在学中に制作した映像作品『ユーロボーイズ』が、NHKデジタルスタジアムでグランプリを獲得。それを機に、高速紙芝居『安全運転のしおり』(2014年)、東京都選挙管理委員会の依頼で制作した『18歳選挙権』PR動画(2016年)など、ハイテンションで濃厚なビジュアル表現を持ち味に、多数の話題作を生み出す。「タマグラアニメーション・シアター」とは タマグラアニメーションとは、多摩美グラフィックデザイン、同大学院グラフィックデザイン領域で制作された、アニメーション作品の略称。多摩美HP内「タマグラアニメーション・シアター」で歴代の優秀作品を見ることができます。Q.スケッチブック作品の制作時間を教えてください(情報デザイン・匿名希望さん)A.3〜4日程度です。締め切りに追われながら(笑)。ゴール設定をして制作する進め方は、  デザインの学科で課題をこなしてきたスタイルが生きていますね。て分からなかったけど、いろんなことを試しているうちに、「何か違和感がある」「気になるもの」を強く意識し始めるようになったのです。そして3年の時、当時あった映像のコースを選択したら楽しくて。モーショングラフィックス(文字やイラストに動きを加える映像表現の一つ)の課題で作った僕たちの作品を大学の芸術祭に出したことが、不特定多数の人に映像作品を見てもらい反響を得るという意味では、AC部活動の始まりですね(P16参照)。たのですが、でも当時は3人でやっていたということもあって、「自分が描いたんじゃないよ」とだましだまし、程よく責任をなすり付け合いながらやってきました(笑)。板倉 最近の視聴者はただアニメを見るだけでなく、Twitterで「作画崩壊してる」とか言い合ったり、細かいところを拾って弄ったりと、そういう楽しみ方をしますよね。そんな人たちに「どうもっていけば刺激を与えられるか、びっくりさせられるか」ということを考えました。例えば、すごい声優さんたちが参加している中に自分たちが出るということも衝撃になるな、とか。振り返ってみると、常に周りを見て「この中でどう驚かせようか」といったスタンスは、学生時代から変わらずありました。。安達ですので、今回オムニバス形式の制作スタイルということにも燃えたのです。撮影=高橋聖英高校生・在学生からAC部への質問事前に、Twitterで高校生と在学生にAC部への質問を募ったところ、多くの質問が寄せられました。その一部をご紹介します。─2000年にグラフィックデザイン学科を卒業した二人。AC部誕生から、今の映像制作に繋がる過程を教えてください。安達 僕はもともと漫画家になりたくて美大を選んだのですが、周りはみんなうまくてカッコイイものを描ける人ばかり。ただうまく描くのでは勝てないな、と。そこでだんだん当時のメンバー安藤君と僕たち3人で、何かしてやろうという思いから「ちょっとおかしなこと」をやり始めたのが2年の終わり。普通の私服を着ていたモデルさんを描くとき、なぜかつい学ランにしちゃったり(笑)。板倉 勝手に空港って設定して、モデルの背後に飛行機飛ばしたり(笑)。安達すると講評で並べたときクスクスみたいな笑いが起こり、楽しくなってきて。もちろん最初は、自分が何をどうやっていけばいいかなん─圧倒的なインパクトを与えた『ボブネミミッミ』。今の作風に至った経緯と、作品にどう挑んだのか教えてください。安達 今のような絵は、既に学生時代から描いていました。一応美大生でもありますし、下手くそな絵を描くということでかなりの■藤はあっ映像分野で活躍するクリエイターインタビュー野村辰寿(グラフィックデザイン 教授)■■部

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