TAMABI NEWS 78号(ゲームクリエイター特集)|多摩美術大学
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■メディア■メーカー日本の手仕事を紹介するグラフィックス企画『イラスト探検隊』で、群馬県桐生市の横振刺繍を取材し、イラスト記事として制作した。この秋発売された今木さんデザインのシーリングライト。本記事は、連載企画です。さらに詳しい内容や他企業情報はWebでご覧になれます。「事業を通じて社会の発展に貢献する」という創業以来の経営理念を体現したブランドスローガン「A Better Life, A Better World」のもと、「家電」「住宅」「車載」「B2B」の4領域で事業を展開し、世界中のお客様一人ひとりにとっての「よい良いくらし、より良い世界の実現」を目指す。イノベーション部門 デザイン戦略室 主幹井手 信宏さんエコソリューションズ社 ライティングデザイン部 住宅課 デザイナー今木 研志さん(2016年|プロダクトデザイン卒)共同通信社 = 「正確公平な内外ニュースその他の情報を提供し、公平な世論の形成と社会の健全な発展、国際相互理解の増進に寄与すること」を目的に、国内外のニュースを取材、編集して全国の加盟新聞社、放送局、海外メディアに配信する総合国際通信社。ビジュアル報道局 グラフィックス部 部長八代 到さんビジュアル報道局 グラフィックス部 グラフィック記者山田 侑加さん(2017年|デザイン卒)多摩美の卒業生は、国内外の幅広い領域で活躍しています。多方面に伸びしろがあり、その下地ができているのが多摩美の特徴と言えるかもしれません。当社のデザインといえば家電商品のイメージが強いと思いますが、UI/UX、サービス、ソリューション(課題解決)など、あらゆる領域の必要性が増え続けています。したがって、プロダクトに加えて、統合や環境デザインのように、思考力や空間から発想する力に長けた学生に期待しています。もちろん、当社にはいろんな教育システムがあるので、どの学科の方にも活躍の場はあります。学生の方は、まずは今取り組んでいる専門を十分に尖らせてください。住宅向けの照明デザインを担当しています。照明は非常に身近で不可欠なものであり、家という空間を作るための基礎のような存在です。毎日当たり前に使うものとして、暮らしに寄り添える商品を目指してデザインをしています。ちょうどこの秋にも、私が担当したシーリングライトが発売されたので、嬉しく思っているところです。私が入社して初めて担当した商品は、広島東洋カープの優勝記念シーリングライトでした。最初はファンのためのグッズとしてしか捉えていませんでしたが、こういった話題性のある商品が、地元の電気屋さんとお客さまとのコミュニケーションのきっかけを作っていることを知り、ひとつの製品でも多くの人が関わり社会を形作っていることを体感しました。このように、プロダクトデザインは造形だけではなく、製品を介したコミュニケーションやサービスのように、形をもたないものも多様にあります。実務を通して振り返ると、多摩美で一貫して得たことは、価値や思いを「伝える力」だと思います。社会に対する価値を生み出していく姿勢と、自分の思いを形にするスキルを身につけたことが大きな糧となりました。通信社のグラフィック記者は、一つのニュースを掘り下げて考える力、速く正確にアウトプットを仕上げる力と、さらに先の展開を読む力が必要。多摩美は社会との接点を意識したカリキュラムが組まれているそうですが、活躍する卒業生たちに感じる「求められることへの対応力」は、その学びが生きているのでしょう。私たちが求めるのは画力以上に、世の中に関心を持ち、敏感な人ですね。そして、人と話ができて理解し、考えを伝えられるコミュニケーション力は必要。さらに、言葉を大事にし、読み解く力を持った人です。そのような資質があれば、通信社の仕事に「この学科は向いていない」ということはありません。加盟する新聞社に配信する記事のインフォグラフィックス全般を制作しています。また、自ら取材に行くこともあります。どんな媒体にも使いやすく、幅広い読者に伝わるように心掛けていますので、多くの媒体に掲載された時はやりがいを感じますね。受験時代、理工系を目指していた私が多摩美にシフトした理由の一つは、将来の選択肢の広さでした。「ここなら、色々な道が開けている」と思ったのです。実際に、プレゼンなどで常に人の目に触れることを意識して作っていく過程や、卒業制作で作ったインタビュー動画の取材経験と、そこで培ったコミュニケーション力などが、そのまま今の仕事に生きています。今の会社を選んだのは、描くだけではなく、人と関わり、情報を視覚的にデザインすることに面白さを感じたからです。また、これからの通信社にはWeb動画のようにインタラクティブなデザインも必須で、平面以外に映像にも興味があった私は、ここなら貢献できるのではないかと思いました。学生時代、一つの課題に対して考え抜き、精度を高め、自ら解答を導き出した経験が、役立っています。11多摩美出身者は、ビジネスの最前線からどのような評価を受けているのでしょうか。また、その卒業生たちが学んだ多摩美での4年間は、ビジネスの現場でどう生かされているのでしょうか。さまざまな業界で活躍する企業人たちに、多摩美に求められる期待と実績について尋ねました。国内外のあらゆる領域で卒業生が活躍。その伸びしろが多摩美の特徴社会との接点を意識したカリキュラムがデザイナーに必要な対応力に生きているパナソニック共同通信社

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