TAMABI NEWS 78号(ゲームクリエイター特集)|多摩美術大学
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ゲーム会社への内定!篠田百花さん 統合デザイン学科4年プランナーとして手掛けたいのは子どもに新たな学びを生み出すようなゲームスクウェア・エニックス 第9ビジネス・ディビジョン アートディレクター 齋藤昌大さん(2002年 油画卒/P3参照) ▲ ゲームのグラフィックスはしっかりした陰影やハードな世界観がすごく西洋絵画的で、僕に合っていました。多摩美なら油画専攻でもCGがやりたければやれるなど、自由に挑戦できる環境が整っています。また、いろんな感性が集まっているので、視野を広め感性を養うには最適な場所。ビジネス面にも役立つ思考やマインドを養うチャンスに恵まれていました。セガゲームス オンラインコンテンツ事業部 デザイナー 福留竜介さん(2011年 グラフィックデザイン卒/P3参照) ▲ アニメーション制作で培った、色の美しさや動作の気持ち良さといった表現が、そのまま仕事に生きています。また、企画書を視覚的にわかりやすく書くことや相手に伝わるプレゼン手法など総合的な学びがあったことを、いま実感しています。分業が多い業種だからこそ、デザインやアートに関する幅広い知識があり、全体的に捉えられることが自分の強みであり自信となっています。バンダイナムコスタジオ VA統括本部 VA第1開発本部 VA1部 VA1課 課長 木村憲司さん (1997年 油画卒/P3参照) ▲ 私たちの仕事は、さまざまな個性のスタッフが一つのゴールを目指し、お客さまに伝わる製品にまで仕上げるチーム制作です。なので、柔軟な思考やコミュニケーション力が求められます。技術の進化と共に変化の激しいゲーム業界ですが、学生時代に培った基礎力や知識、経験は今でも活きています。9ゲームは好きでしたが、当初仕事にするというイメージはまったくありませんでした。ですが3年のとき、友達に誘われて行った会社訪問で、初めてプランナーという職種があることを知ったのです。もともと私は趣味で漫画を描きますが、絵を描くよりも話を作る過程が好き。ゲームも同じで、絵を描くより世界観やシステムそのものを作る方であれば、自分には向いているんじゃないかと思い始めました。就職活動では周りはデザイナー職志望が多い中、私は総合職と企画職だけに定めて受けました。デザイナーではなく、「デザインがわかる総合職として会社を支えたい」と思ったのです。私が学んできた統合デザイン学科は、平面、立体、デジタル、空間などデザインに関する一通りのことができることが前提で、その上で自分の強みを追求します。だからこそプロデュース側に行くという発想を持てた意味では、学科の学びに大きく影響されま本学卒業生であり、アイドルグループ「でんぱ組.inc」メンバーとして様々なポップカルチャーシーンを横断し活躍する夢眠ねむさん。そのクリエイティブのひとつとして、アイドルという立ち位置でゲームとコラボした企画が、『夢眠ネム×グルーヴコースタードリームプロジェクト』。夢眠さんの声をもとに制作された“VOCALOID4夢眠ネム”ムムと、全国のアミューズメント施設で稼働中の人気アーケード用音楽ゲーム『グルーヴコースター 4スターライトロード(タイトー)』のコラボで、オリジナル楽曲コンテストの受賞曲の配信キャンペーン(5月23日〜)を行ををうなど、アイドルとゲームというユニークな展開で話題を呼んでいます。すす課題で褒められたアイデア力をとことん突き詰めた思考の体幹を鍛える学びが就活に生きたした。結果的に、統合デザイン学科でなければ気付けなかったかもしれません。私は、課題で褒められるのはいつもアイデアだけで、周りより画力が劣ると悩んでいました。でもある時「じゃあ描くのは上手い人にやってもらえばいいや」と吹っ切れて。強みをより強化しようと切り替え、そこからは、画力は付加的な武器として考え、とにかく企画を重視しました。また、最初は自分目線で制作を行っていましたが、ある課題で先生に「それ買うと思う?」と指摘を受け、自分が好きなものを作るのではなく、状況に応じて誰かに必要とされているものを作った方がいいと気付けたのも大きかったです。振り返ると、就活中は、自分の強みは何か?自分が作りたくて誰かに必要とされるものは何か?それを突き詰める期間だったように思います。私は4年間アルバイトで小学生の塾講師をしてきたのですが、ここで触れ合った子どもたちの新しい発見や学びにつながるような何かを作りたい、例えば身体を動かしそこからスポーツに興味が広がるようなゲームを生み出したい。その答えとして、ゲームセンターなどに設置するアーケードゲームを手掛けたいという、いまの夢につながりました。ゲーム業界への就活に意識を向けてからは、徹底してゲームをやり込んで分析し、面接時に「もっとこうしたらユーザーの不満解決につながると思う」と、きちんと意見できるよう備えました。でもその課題発見と解決の過程は、普段の授業でやっていることと同じなんです。統合デザイン学科は、平面も立体もデジタルも駆使して、あらゆる解決策を考えるため、課題制作をこなすのは大変ですが、やっていることは思考の体幹を鍛える筋トレのようなものだと思います。他にも同じ学科からゲーム業界に進む人がいますが、デザイナーに限らず、インタラクションや、プログラミングなど私とは異なるアプロ―チをしており、そういう意味でも統合デザイン学科の可能性は面白いと思っています。社会に出ると、一般大学で企画を学んだ人、専門学校でゲームを極めた人など、たくさんのライバルがいると思います。ですが私は様々なツールやメディアを駆使して表現をすることができますし、企画やデザインの思考のトレーニングを重ねていて、それをゲームに生かせます。就活を通して気付いた自分の強みと、4年間培ってきたことを糧に、好きなことに熱量を注いでいきたいです。夢眠ねむ=ライブイベントスペース「秋葉原ディアステージ」での活動を経て「でんぱ組.inc」メンバー加入(2009年〜)。グッズデザインやプロデュース、映画監督、コラム執筆などジャンルに関係なくカルチャーを結ぶポップアイコンとして活躍の場を広げている。でんぱ組.incはニューシングル「プレシャスサマー!」を9月26日リリース。現在、先行ダウンロード配信中。就職活動の最終面談時に用意したゲームの企画書。3年生の時インターン先で基本的なゲームの企画書の作り方を学びました。また、積極的に企業説明会などに持参して担当者の方に意見を聞くなどして、自分なりにプランナーになるためのスキルを磨いていきました。ゲーム業界の様々なデザイン領域で活躍する卒業生たちに続き、来春大手ゲーム会社への就職が内定し、新たにプランナーとして羽ばたこうとしている統合デザイン学科4年生の篠田さんに、なぜゲーム業界を志し、どんなプランナーを目指しているかについて聞きました。デザインが分かる総合職として会社を支えたい表現者として参画夢眠ねむさん 情報デザイン卒「夢眠ねむ」という唯一無二の関わり方で音楽ゲームとコラボレーション

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