TAMABI NEWS 86号(2020年度受賞ラッシュ特集)|多摩美術大学
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図書館での撮影開始前に行われた、エキストラとして参加した学生たちとのミーティングの中で、三原さんは「GU×MIHARAYASUHIRO」のコンセプトにもなっている “NEVER BEND YOUR HEAD. ALWAYS HOLD IT HIGH.(下を向くな、上を向け)” の言葉を贈り、「コロナの影響もあって将来がとても暗く見えていると思う。だからといってこの暗さと同じ方向を見ていても仕方ない。君たちのクリエイションで次の時代をつくっていってほしい」と力強く話しました。ルセンも、学生当時からメキメキ活動してた。染織デザインの同じクラスにはKIGIの植原亮輔や資生堂の成田久もいた。林 キューちゃん、同級生ですか? ほんとに?三原 キューちゃんはライバルだったから(笑)。みんなすごく才能があって、「明日」をつくる人っていうのはこういう人間なんだなって思った。でもやっぱりそれだけじゃないのよ。作ってるものがそれぞれ違うから、お互いに高め合えた。林 大学で出会った友達って大事ですよね。僕はライバル意識っていうのはそんなになかったけど、「あいつ、こんなに頑張っているんだな」って励みになった。三原 そうだね。あらためて振り返ってみても、多摩美でのいろんな出会いが自分のスタートだったと思うね。作らないことには何もはじまらないとにかく作って、見てもらうこと―― そういう意味では、今回の出会いも新たなスタートに?林 もう、本当にそうです。三原 僕も17歳年下の林くんと一緒に仕事ができて本望です。林 ははは! やめてください、ほんとに。怖いから(笑)―― 最後に多摩美の後輩たちに、そしてクリエイターを目指す全ての人にメッセージをお願いします。林 いろんな良いもの、美しいものを見るきっかけになる「遊び」をやってみるといいと思いますね。大学だけじゃなくて、外の世界にもふれてみたり。三原 同感です。美しさを勉強すること、本当の意味で。何が正しいかってことがわかるようになると思う。それからとにかく作品を作って、たくさんの人に見てもらうこと。人との出会いがいろんなことに気付かせてくれるし、紹介ゲームみたいに世界が広がっていくんだ。有名になっている人で何もやっていない人なんかいない。僕も学生の時はとにかく必死に作りまくっていた。やっぱり作らないことには何もはじまらないんだよ。林 確かに。僕は今の方が「もっと作らないと!」って思ってる。大学の頃からそう思えていたら良かった。三原 僕も今でも、3日も空いたら「なにかやらなきゃ!」ってなる。林 すごくわかります、その気持ち。三原 たぶんね、焦った方がいいと思うの。テクノロジーとアートの戦いなのか、あるいは共生なのか、僕たちは今、100年に1回の大革命が起きるような時代の変革期の最中にいる。一生懸命勉強して時代についていこうっていうことも含めて、何か新しい表現だったり戦い方だったりを見つけた方がいいってことを若い子たちにも伝えたいね。モノやコトを生み出せる僕たちは、時代のその先を提示する側にならなきゃいけないんだから。三原さんからエキストラの学生たちにエール15TAMABINEWS

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