TAMABI NEWS 87号(日本画の伝統を超えて自由な発想が生まれる理由)|多摩美術大学
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『彩の記憶』大槻洋介『隣り合う人の顔も知らぬまま』ヒラヤマナツホ日本酒ブランドのポスター『松岡醸造 初生』窪田新(cl:日本酒にしようプロジェクト)『面接』西村征暁(TOKYO/太陽企画)『Canaria』油原和記『霧と鉄と山と』青木野枝 2019年 府中市美術館展示風景撮影:山本糾  ©Noe Aoki Courtesy of ANOMALY16第26回「学生CGコンテスト」で修了生が最優秀賞を受賞第26回「学生CGコンテスト」アート部門で、メディア芸術副手(20年大学院情報デザイン修了)のヒラヤマナツホさんが最優秀賞を受賞しました。同じくアート部門の優秀賞を18年統合デザイン卒業・遠藤紘也さんが、エンターテインメント部門の優秀賞をグラフィックデザイン副手(20年大学院グラフィックデザイン修了)の金子勲矩さんが受賞したほか、多数の学生・卒業生が入選しています。ヒラヤマさんの作品『隣り合う人の顔も知らぬまま』は、自身の故郷でもある多摩ニュータウンを舞台に、製作したゴルフマシンでボールを打ちつつさまざまな場所を巡り歩くことで、歪な共生関係を淡々と描く試みです。ヒラヤマさんは「今回の受賞をひとつの節目ととらえ、今後の制作の糧としていきたい」と話しました。卒業生が「JAGDA新人賞」を受賞06年グラフィックデザイン卒業・窪田新さんが、2021年度「JAGDA新人賞」を受賞しました。同賞は、公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)が発刊する年鑑『Graphic Design in Japan 2021』出品者の中から、今後の活躍が期待される有望なグラフィックデザイナーに与えられるものです。39回目となる今回は、新人賞対象者139名の中から、厳正な選考の結果3名が選ばれました。5月には、窪田さんをはじめ新人賞受賞者の作品および近作を展示する「JAGDA新人賞展2021 加瀬透・川尻竜一・窪田新」が、東京・銀座のクリエイションギャラリーG8で開催されました。月刊『ブレーン』主催の動画コンテストで卒業生がグランプリを受賞月刊『ブレーン』主催のオンライン動画コンテスト「BOVA(Brain Online Video Award)」一般公募部門で、18年メディア芸術卒業・西村征暁さんがグランプリを、同じく18年メディア芸術卒業・石川結貴さんが審査員特別賞を受賞しました。また、統合デザイン4年・吉田健吾さんと髙下幹人さんが学生部門賞を受賞しました。グランプリを受賞した西村さんは「『思い込みでもいいからワクワクする自分の気持ちに正直に、信じて突き進んでほしい』と思いを込めて監督させていただきました。この映像を見た学生が『広告っておもろそう!』と感じるきっかけになれたら最高です」と話しました。「文化庁メディア芸術祭」で卒業生が新人賞を受賞第24回「文化庁メディア芸術祭」エンターテインメント部門で、19年メディア芸術卒業・油原和記さんのVRアニメーション『Canaria』が新人賞を受賞しました。本祭典は、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門において優れた作品を顕彰するとともに、受賞作品の鑑賞機会を提供するメディア芸術の総合フェスティバルです。今年9月、東京・お台場の日本科学未来館を中心とした各会場で、受賞作品の展示・上映や関連イベントを実施する受賞作品展の開催が予定されています。伊東豊雄客員教授が「旭日重光章」を受章環境デザイン・伊東豊雄客員教授が、2021年春の叙勲で「旭日重光章」を受章しました。2018年の文化功労者に続いての栄誉であり、芸術文化分野における顕著な功績が高く評価されました。伊東先生は2013年に「建築界のノーベル賞」ともいわれる「プリツカー建築賞」を受賞した日本を代表する建築家の一人で、本学八王子キャンパス図書館も先生の設計によるものです。青木野枝元客員教授が「芸術選奨」文部科学大臣賞を受賞3月3日、彫刻・青木野枝元客員教授が、2020年度・第71回「芸術選奨」の美術部門で文部科学大臣賞を受賞しました。2019年12月から2020年3月にかけて東京・府中市美術館で開催された「青木野枝 霧と鉄と山と」展の成果などが評価されたものです。「芸術選奨」は1950年から続く文化庁主催の顕彰制度で、芸術の各分野において優れた業績を上げた方に贈ることによって芸術活動の奨励と振興に資することを目的としています。※青木先生は3月末で本学を退職されました。Topics & Award受賞卒業生が「第28回伝統工芸諸工芸展」で文部科学大臣賞を受賞97年立体デザイン卒業・大槻洋介さんが「第28回伝統工芸諸工芸展」で文部科学大臣賞を受賞しました。公益社団法人日本工芸会の主催によるこの公募展は、日本に古くから伝わる七宝・硝子・硯・砡・截金・砂子などの技法の保護保存と後継者の育成を目的に隔年で開催されているものです。7月7日〜12日の間、東京・日本橋三越本店本館6階美術特選画廊で受賞作品および入選作品の展覧会が開催されました。受賞作品『彩の記憶』について大槻さんは「子供の頃両親に連れて行ってもらった三浦半島の海と空の記憶。その光と匂い、鮮やかな色彩をその時に見た朝顔の花に、1日も早くあの様な刻に戻って欲しいと願いを込めて制作いたしました。早く普通の生活が送れるようになる事を祈りつつ、制作に励む毎日を送りたいと思います」と話しました。

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