TAMABI NEWS 88号(持続可能な社会の実現に向けて)|多摩美術大学
2/16

1985年にスタートした本学の産学官共同研究は、教育支援を目的に大学側から外部組織に依頼するかたちが、現在では外部からの研究支援依頼に応じるというかたちに進化を遂げ、例年数多くの企業・団体から連携の依頼をいただいています。 近年行われた事例では、大手通信事業者の映像技術を用いた真鶴町の魚つき保安林保全を目的とする広報活動計画(2015年・情報デザイン学科)や、「2035年の医療を中心とした八王子の街づくり」をテーマにICT企業・医療機関・美術大学の三者の共創による地域のトータルサポートに関する新しいサービスデザインの考案(2016年・情報デザイン学科)、横須賀市の社会課題解決を目標としたプロダクトと体験価値の創出に関する研究(2018年・プロダクトデザイン専攻)、大手化粧品メーカーとの協働による30年後の美容ソリューションの表現に関する研究(2019年・テキスタイルデザイン専攻)、森林の循環不全という環境問題や地方都市の過疎問題の解決をテーマに流通の仕組みから考案6月10日、多摩美術大学TUB共創プロジェクト『すてるデザイン』始動 記者発表会が行われた6月17日に行われたTUB第2回企画展『すてるデザインの生まれる場所』講評会の様子。学生がコンセプトや制作プロセスを解説し、廃棄資材を熱する・冷やす・衝撃を与えるなど作品制作を通して発見した新しい表現や加工方法についてプレゼンテーションした0230年超の産学官共同研究で培われた知見を生かし、アート・デザインの課題発見力・解決力を実装につなげる大量生産・大量消費・大量廃棄による環境破壊は長年にわたり大きな国際問題となっており、モノづくりや消費行動そのものに対する人々の関心が年々高まる中、アートやデザインのもつ課題発見力・解決力に注目が集まり、その力を発揮する場がますます広がっています。本学ではこうした課題発見・解決型の実践的な産学官共同研究を30年以上行ってきており、今回はその中でも持続可能な社会の実現に向けた取り組みを「仕組み・素材・自然環境・技術」の4つの視点からご紹介します。SDGs、ESG時代に多摩美ができること持続可能な社会の実現に向けて

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る