TAMABI NEWS 88号(持続可能な社会の実現に向けて)|多摩美術大学
7/16

を目指し、環境負荷の少ない制作方法を選択しました。を目指し、環境負荷の少ない制作方法を選択しました。 地球環境・貧困問題とテキスタイルデザイン教育を連携させたプロジェクトに 地球環境・貧困問題とテキスタイルデザイン教育を連携させたプロジェクトには多くの教員・学生が参加しました。ウガンダ、ルワンダやフィリピンなどへ招聘は多くの教員・学生が参加しました。ウガンダ、ルワンダやフィリピンなどへ招聘されデザイン・技術指導を行いました。されデザイン・技術指導を行いました。 テキスタイルと環境問題を包括的に考察し活動したプロジェクトは、新たな研 テキスタイルと環境問題を包括的に考察し活動したプロジェクトは、新たな研究へと展開し、その成果が授業に活かされています。究へと展開し、その成果が授業に活かされています。土や植物に触れることで“生命の循環”を体感し、未来を種から切り拓く 『紙漉き』では、夏に大学周辺に繁茂する葛を刈り取り、繊維を加工し紙をつくる実習を行います。また、PBL『布づくり演習』と『紙づくり演習』では、テキスタイル棟で廃棄された端切れや残糸、紙屑なども活用しています。『テキスタイルの色』では、テキスタイル棟脇の畑で、藍を種から育て染料を作ります。キャンパスを巡りさまざまな樹木や草花を知り、色を抽出する方法を学びます。剪定で廃棄される枝葉を譲り受けることもあります。学生がモノの大切さや生命の尊さに気づく契機となり、豊かな感性が育まれることを期待しています。 その畑には、NHK「ECOパーク2013」で行ったワークショップ「みんなで織ろしています。高野さんをリーダーに、姫田亮さん(09年卒業/インドで車両のデザイン企画・開発で活躍するカラーデザイナー)、小林万里子さん(12 年大学院修了/命の再生をテーマにしたテキスタイル作品で注目を集めるアーティスト)、氷室友里さん(13年大学院修了/国内外で幅広く活躍するテキスタイルデザイナー)の4名は、学生代表として共にウガンダ、ルワンダで活動しました。 その他にもバナナ・テキスタイル・プロジェクトに積極的に参加した学生が独自の活動を展開し活躍しています。 テキスタイルは、高齢者施設や医療の現場からも高い関心を寄せられています。テキスタイルの柔らかな素材感と豊かな色彩による表現力を社会に生かす研究活動を展開していきたいと思います。持続可能な社会の実現に向けて未来を種から切り拓き、人の心と暮らしに寄り添う次世代の力に期待し、SDGsのためにテキスタイルに何ができるか学生に考えてもらいたいと思います。う未来の樹 オーガニック素材で作るエコタペストリー」で、学生が参加者と共に作ったタペストリーが埋められています。土から生まれ植物の命は土に還る、循環する自然の営みを自らの目で見て肌で感じることで、はじめて環境問題の本質を知り理解に繋がるという考えがありました。 これらの授業では、植物の成り立ちから天然素材や繊維資源の循環的な利用法について考察を深めています。 テキスタイルデザイン専攻では、“SDGs”や“サステナブル”という言葉について、自然豊かなキャンパスで土や植物と触れ合う実習を通し、学生自らがその意味を考えるように促します。さらにSDGsについて理解を深めるレクチャーやワークショップを行い、考える力を養い実践に繋げるようにしています。 長年、積み重ねてきた研究と体験学習の循環から次世代の創造の芽が育ち、さまざまな実りがあります。 妹尾めぐみさん(11年大学院修了)と高野紘子さん(11年大学院修了)はバナナ・テキスタイル・プロジェクトの助手として研究・活動を支えました。妹尾さんは、子供たちに繊維の循環を伝える古着リサイクルの造形を研究し、現在はラオスと徳島を拠点に地域の人々と共に手仕事を核に活動しています。高野さんは、バナナ繊維の織布制作を研究し、現在は環境に関するNPO法人事務局に勤務SDGs、ESG時代に多摩美ができること畑で育てた藍を収穫し染料をつくる学生と辛島綾准教授(1年生「テキスタイルの色」)琉球糸芭蕉から繊維を抽出し加工する学生と川井由夏教授(3年生STUDIO 3)SDGsに関するワークショップ(3年生STUDIO3)大野亜紀(04年卒業)卒業制作「クズScrap」裁断クズなどリサイクル素材07TAMABINEWS持続可能な社会の実現に向けて葛布

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る