AI時代を勝ち残る進路選択|多摩美術大学
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卒業生ユーザーインターフェイスデザイナー清水 一教倫さん2004年 情報デザイン卒株式会社島津製作所総合デザインセンターデザインユニットUXデザイナー松本 謙太郎さん2005年 情報デザイン卒トヨタ自動車株式会社デザイン開発部コンポーネントデザイン室 UXデザインGr28 化学系の大学を目指していましたが、浪人中に多摩美の情報デザインを知り、これからはインターネット時代であることと、センター試験で数学を選択すればデッサン試験が不要なことから興味を持ちました。入学当初は、絵が得意な人たちの中で浮くんじゃないかと不安でした。でも、パソコン知識など自分の得意分野を重宝がられ、結果的には今でもみな深く、仲良く、交流が続いています。プログラミングなど抵抗感なく学べましたし、絵が描けない弱みはコンピューターでフォローできたので、強みをより強みとすることができました。先生に言われた「外見がよくても使いにくかったらゴミだ」という言葉が、今UIデザイナーとして製品づくりをする上での基本姿勢となっています。 映像に興味があり理工系を考えていました。ですが、将来の仕事を具体的に考えた時に、美大という選択肢があること、センター試験の利用が可能であることを知って、数学が得意だった僕はここだと思ったのです。情報デザインは数学的要素が必要な上ロジカルな考え方が求められるところが僕には合っていました。 現在UI/UXデザイナーとして、車内のディスプレイの表示(GUI)やその操作に関わる部分を担当していますが、今後のカギとなるのがこのUX。自動運転が主流になった時、車の存在自体が大きく変わります。ユーザー 現在、病院の技師やラボの研究者が使用する機器の、操作部のデザインをしていますが、私たちは“感覚的にかっこいいもの”をつくることだけを求められているのではありません。使われている状況を踏まえたユーザー分析から本質的な課題を探り、アイデアを論理的に整理して“真に使えるデザイン”を目指しています。それを実践する過程で、美大で得たモノづくりの考え方と数学的思考の両方が必要になってきます。だから今私は、理系の人にこそ美大を薦めたいですね。社会では論理的思考が養われている人が強みになる。それを活かしてデザインスキルを積めば最強です。論理的思考を備えたデザイナーは、今後どんどん活躍の場が増えていくでしょう。に車内でのどんな体験を提案するかを考え、新たな価値を提供することが私たちの使命なのです。どう答えを導き出すか、そのプロセスはまさに多摩美で学んだこと。IT最先端のシリコンバレーでは、このプロセスはデザイン思考と呼ばれ、世界的にも重要視されていますが、多摩美でこの訓練を普通に行っていたなんて、今更ながら驚いています。残留農薬の成分などを検出できる、高感度ガスクロマトグラフ『Nexis GC-2030』ラボの研究者たちがより使いやすく目的を遂行できるよう、画面周辺を含めた操作部分のデザインを担う。論理的思考を備えたデザイナーは最強どんどん活躍の場が増える今後のカギとなるのがUXデザイン得意な数学を生かし新たな価値をデザインするデッサンなし入試デッサンの代わりに数学を選択する入試方式で入学した卒業生に聞きました。(2001年度まで情報デザイン学科で実施)“実技なし入試”で入った多摩美生

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