AI時代を勝ち残る進路選択|多摩美術大学
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創造的な進路選択で広がる未来の姿は?内視鏡ビデオスコープシステムのGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)デザイン。主に電子機器の液晶画面をデザインする。06人の行動を考え課題解決に導く学びが医療の現場に活きているオリンパスの主軸製品のひとつである内視鏡ビデオスコープシステムのGUIデザインを担当しています。医療の現場で、医療従事者がどう思いどう操作するのか、ワークフローを観察・分析しながら、そこにある課題をデザインで解決するのがデザイナーの役割です。特に医療の分野は専門性が高いので、実際の現場や国内外のユーザーインタビューに参加するなど、深く開発に携わります。私は高校では美術コースでしたが、ちょうどインターネット普及の過渡期でもあり何か新しいことがやりたくて、情報デザインを選択しました。ここで、一人ではなくチームで意見を出し合いながらモノづくりをする魅力を知り、また授業では、多角的に見る視点と、自ら課題を見つけ解決に導くことを学びました。あるグループワークの課題で、教授から提案内容を考え直すよう指導され、落ち込んだことがありました。ですが、その時のチームの一人が、「あの先生はそう言うけど、他の人はどう思うか聞いてみよう」と言った言葉に衝撃を受けたんです。これこそ、一歩引いて多角的に見る視点、人がどう思い行動するかを考えて答えを生む、ということですよね。この経験は、今の仕事への大きな糧となっています。技術開発部門画像システム開発本部デザインセンター 商品デザイングループ 課長代理[2004年 情報デザイン卒]関さんが担当した『キヤノン インクジェットプリンター PIXUS TS5030』。設計者を巻き込みながら、理想的な造形を目指して何度も試作を重ねた。可視化する力はすべての領域をつなぐ翻訳作業デザイン部のチーフとして現在は主にプリンターを担当しています。これからのAI時代、確実に組織や働き方が変わります。その時はおそらくプリンターの用途すら変わってくるでしょう。機能や見た目だけでなく「存在のありかた」からデザインするというのが私たちの課題です。私は小学生時代にある著名なプロダクトデザイナーがデザインしたミニカーに魅せられ、プロダクトデザイナーを志しました。ところが、進学した中高一貫の進学校では教員は誰も美大進学の知識がありません。そこで自分で一つひとつ調べながら、念願の多摩美に入学することができました。なんとなく大学進学を目指し進学した友人には「お前はやりたいことが自分でわかっていていいな」とうらやましがられたことを覚えています。卒業後、いったんはデザイン会社に就職しましたが、世界に出たいという思いが拭えずロンドンの美術大学院に留学し、卒業後に現地で就職してデザイナー経験を積んで、今に至ります。多摩美では表現力に加え理論的な思考力、伝える必要性、そして徹底的に自ら考えて答えを出すことを学びました。答えはひとつじゃない世の中で何を選択しどう答えを導き出すか?多摩美での学びを糧に、「次世代の働き方と機器の関係」を模索しています。総合デザインセンター専任主任[1997年 プロダクトデザイン卒] オリンパスキヤノン戸井田 真希さん関 尚弘さんInterviewメーカー編01

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