入試ガイド2020|多摩美術大学
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掲載作品は入学者より選定※デッサン、油彩は同一作者の作品を掲載しています。油彩(6時間)【問題】 与えられたモチーフを手がかりに自由に描きなさい。【条件】解答用のキャンバス(F15号サイズ)は大学で用意したものを使用すること。モチーフのキャンバス(SMサイズ)は試験終了後に各自持ち帰ってください。●専門試験デッサン(6時間)【問題】対象を描きなさい。【条件】 画用紙または木炭紙は、大学で用意したものを使用すること。【注意】1. 火気、水、溶剤の使用は認めません。2. 参考資料にあたる用具類やスケッチブック等の使用は認めません。3. 上記に反した場合、失格になることがあります。4. 出題の内容に関する質問にはお答えできません。【モチーフ】人物【使用紙】サンフラワーペーパー(M画/650×500mm)またはMBM木炭紙(650×500mm)【注意】1. 火気の使用は認めません。2. 参考資料にあたる用具類やスケッチブック等の使用は認めません。3. 上記に反した場合、失格になることがあります。4. 出題の内容に関する質問にはお答えできません。【使用キャンバス】F15号油彩今回の試験では、モチーフとして小さなキャンバス(SMサイズ)を各自に一つずつ配布しました。絵が描かれる支持体そのものがモチーフであることに、受験生は少し複雑なものを感じたかもしれません。しかし、キャンバスを改めてよく観察し、絵画に対する自分自身の思いや考えを率直にモチーフに託せば、その複雑な構造から各々のユニークな絵画論が生まれていったと思います。一枚のキャンバスから新たに何を見出し表現できるか、そして絵を描くということに対し日々どのように向き合おうとしているのかをみることが出題のねらいです。モチーフに対する観察力や自由な発想力、また展開したイメージを具現化させる技術はもちろんですが、表層的な見栄えではなく、表現することに対し誠実であるか、絵画について考えることに対する熱量があるかといったことが採点のポイントとして挙げられます。●採点基準デッサン油彩・出題内容の把握・理解・基礎的な表現力・描写力・独創性(オリジナリティ)・作品への意欲的取り組み・魅力ある感性●出題のねらい・採点ポイントデッサンデッサン試験では、帽子を被り椅子に座るモデルを出題しました。基礎的な描写力、観察力をみることがねらいです。人体を描くことは絵画の基本であり、古来より無数の表現がなされてきました。それは他者を描くことが自分自身を知ることにも繋がるからです。骨格や筋肉が作る緊張と弛緩、皮膚や衣服を始めとする様々な質感の違いなどをしっかり観察し描写することはもちろん、椅子に座わることや帽子を被るといった日常だれもが経験していることを、自身の身体的経験に重ねて描写できているかがポイントです。また、モデルの存在はただ単に描かれる対象としてそこにあるのではりません。室内の空気や光の揺らぎ、描く側が投げかける視線、そうした時間や空間が集約される場です。こうした現実の様々な対象に丁寧に向き合う姿勢があるかをみることが出題のねらいです。●教員コメントについて実技試験の採点は、油画専攻専任教員が全員で行いました。したがって、判定結果は全員の総意によるものですが、個々の作品についての評価は、当然のことながら全員が同じというわけではありません。教員それぞれが、出題の意図を検討し、解釈しながら、各自の芸術観に基づいて評価しました。教員が、どんな作品をどのように評価していくのか。その実例として、合格者(入学者)の中から13名の作品を選んで、教員のコメントを附しました。なお、ここに選んだ作品は、必ずしも高得点作品というわけではなく、多彩な表現の例として選んでいます。026美術学部絵画学科 油画専攻

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