入試ガイド2020|多摩美術大学
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版画 美術学部絵画学科版画専攻色彩表現《評価ポイント》ミカンとアルミホイルのフォルムを利用して、人の顔を表現することをテーマにした点が明快です。特にミカンはよく観察されていて、繊維質まで描き出されているところが非常に効果的で、作品の大きなポイントとなっています。ただ画面左下に描かれた赤い透明アクリル板と思われる色面の構成とメインとなる顔との関係が弱く、結果的に蛇足になってしまった点が残念です。また鼻、口のフォルムにも、もう少し慎重な検討を求めたいところです。《評価ポイント》写実的に描かれたミカンはとても瑞々しく、色彩、フォルムともにリアルです。それに上下に連続する白い線のミカンは、もう少しフォルムの検討が必要ですが、写実的なミカンとの対比が作品のテーマとして明快に表されていて、非常に興味深いです。しかしながら、その構成が少し単純で、写実的なところと線描の対比にさらに工夫が欲しいところです。またモチーフの一つであるアルミホイルが消極的な扱いになっているのも残念な点です。041

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