入試ガイド2020|多摩美術大学
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メディア芸術 美術学部情報デザイン学科メディア芸術コース視覚表現「ふいに見つけた、いつからあるのかも分からない薬指のほくろ」は、常に行動を共にしてきたのにも関わらず、気がつくことなく共存してきたという点で私の「同僚」であると考えた。《評価コメント》ふっと気づいた、ホクロに自分のアイデンティティーを感じてしまうことは、誰しも経験がある。この作品はその小さな気付きを、大胆な構図と色彩で具現化することを試みたところが素晴らしい実家の庭の椿を雪の日に、ふと視点を変えてみた時の椿の初めて見る表情《評価コメント》毎年、実家の庭に咲いていた雪の中の寒椿には気づかなかったが、ふと、真上を見上げた時に視界に入って来た雪空抜けの寒椿の壮麗な美しさに気づいたという鮮烈な印象が残る作品に仕上がっている。一方向だけの視点では無く、別の角度から見る視点も必要で。物事は様々な角度から考える必要があることに作者は気づいたはずだ学校を休学し、農業法人で働き始めた時に本当の意味で自然や動物と共存していると気付かされた。私たちが育てた野菜や動物は命を奪われるが、人々の生活を豊かにする。少し悲しい気もするが必要な現実であり、これからもこのことをよく考え共存して行かなかればいけないと思う。《評価コメント》この繊細な点描で描かれた目から溢れ出している涙は、共存する動植物から生命を収奪して人類が生きていることへの悲しみだ。そんな「情動」が人類を進化させたことも事実である。感情はいつもどこかに隠れていて、私を驚かしてくる。恐怖と出会っとき、こんなものと共存していたのかと恐ろしくなる。《評価コメント》これは、巨大なカエルの存在に驚く人(本人?)の様子をドラマチックに描いた作品である。まるで夢の中の出来事のように描かれている情景は、潜在意識を呼び覚ます悪夢のようだ。081

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