入試ガイド2021|多摩美術大学
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統合デザイン学科掲載作品は合格者より選定 使用紙 アラベール200K(ホワイト/B3)上上下下 上下■■■一般選抜問題 「何かを整える手」を描きなさい。 条件 作品のタイトルを別紙にあらわしなさい(10字以内)。1.整えている対象や整えるための道具を描くこと。2.B3ボード全面を画面とし、向きは縦横自由とする。3.右図のように、記名票は自身で設定した向きの右上になるように貼り、言葉を書いた別紙は左上になるように貼ること。1.支給した鏡は補助用具です。2.B4の紙は下書き用紙です。3.出題の内容に関する質問にはお答えできません。注意 使用紙 クレセントボード310(B3)問題  幾何形態をモチーフとして、2つの画面に何らかの    関係を作り出しなさい。       どのような関係なのかが分かるように、タイトルを    別紙にあらわしなさい(10文字以内)。条件 1.用紙は横向きのみとする。2.各画面のサイズは、横210mm×縦297mmとし、2つの画面の間隔は10mmとする。2つの画面が用紙の中央になるように配置する。3.白く見せたい部分も白で塗り、未完成でないことを示すこと。4.記名票は右図のように右上になるように貼り、タイトルを書いた別紙は左上になるように貼ること。注意 1.作品が波打たないように、右の図のとおりマスキングテープで用紙の4辺を画板に貼って制作してください(テープは試験場内にも用意してあります)。また、制作終了後はテープをはがしてください。2.B4の紙は下書き用紙です。3.出題の内容に関する質問にはお答えできません。・理解力=問題の把握・理解が正しいか・観察力=日常の気付きからアイデアを導き出しているか・発想力=イメージを具体化するアイデアが優れているか・描写力=構図、形、光、量感などを描写することに必要な技術が優れているか・視点=事象を捉える感覚とその表現が適正で感性に優れているか・理解力=問題の把握・理解が正しいか・発想力=課題を具体化するアイデアが優れているか・表現力=アイデアを明確で適正な構成により美しく、かつ破綻なく整理しているか・分析力=様々な素材に対して形状や質感などの特性を理解しているか・統合力=与えられた課題に対し、発想、分析、表現が効果的に絡み合って作品の質を高めているか「整える」という行為には、デザイナーや作り手にとって必要な美意識が反映されるのではないかと考えています。なにかが「整理されている状態」を美しいと感じたり心地よいと感じたりする感覚や、逆に、なにかが「乱れている状態」を見たときに整えたいと感じる感覚を持っていることは、デザイナーにとって基本的かつ重要な素養といえます。描かれた作品から、どのようなものを整える対象として捉えているのか、どのような状態を乱れている、もしくは整っていると考えているのか、どのような方法でそれを整えるのかを見ることによって、みなさんの普段からの美意識や価値観を知りたいと考えました。鉛筆デッサンの採点では、習得した表現技術に基づく描写力はもちろん重要な評価対象ですが、それだけを評価しているわけではありません。まずは、描きたい・伝えたいと思える内容を持っていることが重要で、「構成力」「描写力」や、その他のデッサン技術は、表現したい内容を、確実に、そしてもっとも効果的に伝わるようにするための手段として必要なものです。与えられた課題による入試作品とはいえ、その中で、自らの価値観を共有する意思を持って表現された、ひとりの作り手としての作品を見たいと思いますし、そのような作品を積極的に評価していきたいと考えています。近年、過去の参考作品に類似した作品が多く見られますが、新しい創造を学び生み出していく美術大学の受験において、そのような作品が多く出てくる現状には問題があると私たちは考えています。そのような考えから、受験生のみなさんがこれまで学んできた技術や思考を見ることに加え、未知の問題に対して持っている技術を応用し工夫していく力を見るために、今年度は「2画面による構成」という条件を設定しました。この「お互いに関係(interact)する」という概念は、突然現れた新しい要素に見えるかもしれませんが、これまでの出題や統合デザイン学科の教育の根幹にも関わっている根源的なテーマです。採点においても、2つの画面という条件を有効に活かす「発想力」と発想を適切に表現できる「構成力」「描写力」の両輪が伴っている作品を高く評価しています。今後も統合デザイン学科では、入試問題を通じて、受験生のみなさんが学んできた技術についての発想力(これはみなさんも気づいていない未来のポテンシャルも含みます)を積極的に見ていきたいと考えていますし、受験生には今持っている技術や思考をどのように上手く活かして新しいものを生み出すかという思考になることを求めます。それこそが、私たちがデザインを通じて世の中をより良くしていくために、必要な思考技術であると考えるからです。別紙マスキングテープ別紙記名票記名票記名票別紙画板画面2画面1画面の間隔10mm専門試験鉛筆デッサン(5時間)構成表現(5時間)採点基準鉛筆デッサン構成表現出題のねらい・採点ポイント鉛筆デッサン構成表現

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