入試ガイド2021|多摩美術大学
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日本画油画版画彫刻工芸グラフィックプロダクトテキスタイル環境メディア芸術情報芸術統合演劇舞踊劇場美術一般選抜■ 教員コメント油彩は、一見どうなっているのだろうかと思わせる作品であるが、よく見ると黒いテープが目前に迫っていて、とてもユニークで大胆な空間を創り出している。カセットテープのパーツがバラされて、動きを伴いつつ見えたり隠れたりしていて目で追うのが楽しい。小さいはずのものが大きな空間と化していて、↗ 教員コメント油彩=多次元的、多視点の絵画を見事に表現しています。画面のどの部分に視点をおいても、部分同士の主従関係はなく、全て同等の強度をもち、また空間の距離感を麻痺させています。多次元な絵画とは、イメージを物語るのではなく、イメージを壊し空虚な世界を生み出します。物語を表現することだけがアートではありません。神が宿るような空虚な世界を表現するのも、またアートなのです。デッサン=油彩と同様、人物を描くにあたって、粗密などはほぼなく、実直に全て同じ力加減で描かれています。この実直さが、デッサンでありながらも、強い絵画性を感じさせるのです。(文責=栗原一成教授)↗ そこに豊かな想像力を感じるが、決して物語に没入するのではなく、あくまで手にしたモチーフをよく観察する、というところから始まっているようで好ましく感じた。デッサンも、さらりとしているが的確な描写で、黒と白が美しい、光が感じられる魅力的な一枚である。      (文責=髙柳恵里教授)

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