入試ガイド2021|多摩美術大学
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日本画油画版画彫刻工芸グラフィックプロダクトテキスタイル環境メディア芸術情報芸術統合演劇舞踊劇場美術一般選抜 ■教員コメント物憂げな視線に生身の人間を捉えたリアリズムを感じます。一定の基礎力が備わった上での表現力、あるいは演出とも言えるでしょう。試験では支給された鏡を見ながら各自、構成を考えなければなりません。視線を逸らすだけでもより強い表現となっています。教員コメント真正面から捉えられた頭部には、後頭部へと回り込む奥行きが感じられ、つき出した顎と胸を繋ぐ首には空間が感じられます。確かな造形力、構築性とともにTシャツの質感まで丹念に描き込まれ、細やかな神経が行き届いた鉛筆デッサンだと思います。教員コメントドロドロとした液状の物質が、次第に堆積していく感覚がユニークです。時間の推移とともに触覚性も喚起させる造形となっていますが、全体の構造に対して細部の作り込みが甘く質感表現にもう少し力点を置いて欲しい作例です。教員コメント抑圧された精神の叫びであろうか。作者の慟哭かは不明ですが、全体の柔らかでどこかユーモラスな造形に対して、シュールなモチーフがギャップとなり独特の感覚世界を生み出しています。彫刻《一般選抜》

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