入試ガイド2021|多摩美術大学
72/160

日本画油画版画彫刻工芸グラフィックプロダクトテキスタイル環境メディア芸術情報芸術統合演劇舞踊劇場美術一般選抜■■教員コメント描きたい対象物が中心に配置されており安定感のある構図と言えます。やや俯瞰気味の視点で、テーブル上に置かれたモチーフがそれぞれに役割を果たしています。タオルを斜めに折り、背景の白い面積を広く確保して、手の奥行き、花の表情を引き立てています。雰囲気ある作品というより、物の存在を掴み取る欲求を感じる作品だと思います。教員コメント画面中央に全てのモチーフをならべ、見る人を誘うかのような指の仕草に物語を感じます。表現する鉛筆の使い方においても、丁寧に質感を描き分けようとしている態度を感じさせるデッサンです。画面右下の容器の口元や水面の楕円がやや歪んで見えるのが気になります。教員コメント描かれている箇所と余白の関係が調和のとれた美しく安定感のある構図です。また、優れた観察力と描写力により自然物と人工物を見事に描き分けているところが高い評価に繋がっています。さらに、ひとつひとつのモチーフを偏りなく描いていることも評価ポイントとなっています。教員コメント迫力のあるモチーフ構成に目が止まります。白い花を引き立たせるための布の 扱いは不自然でありながら意図を感じます。物を持つことを強調した手の表現 はデフォルメされた骨格が気になりますが力強さが伝わります。構図は少し下げた方が花の周りに空間の広がりが生まれるのではないでしょうか。

元のページ  ../index.html#72

このブックを見る