入試ガイド2022
39/156

日本画油画版画彫刻工芸グラフィックプロダクトテキスタイル環境メディア芸術情報芸術学統合演劇舞踊劇場美術一般選抜■■教員コメント画面の下半分を大胆に胸部を据えて、真正面から自身を捉えた自画像である。細部の描写は省かれているが胸部、首、頭部の力強い構成をVネックの衣装が、より身体性を象徴的に演出している。シンプルな構成であるが、選んだテーマ性を踏まえ「女性」である事を自覚的に捉えた強い「意志」が感じられる。教員コメント新聞の切り抜きに冬型気圧を予告する天気図を選んだ作者は、頭にフードをすっぽり被り、コロナ禍で着用必須のマスクをつけて自画像を描いた。しっかりとしたデッサンには、冬の寒い時期、受験に臨む作者の緊張感と共に、パンデミックが起きている時代の緊張感がみなぎり、力強い内容となった。教員コメント女性の乳房であろうか、複雑に絡み合い、縺れ蠢いている。しかも無惨にも切り裂かれた肉体からは鋭い棘が牙を剥く。選ばれたモチーフは「細雪」。昭和初期の風俗と女性であることの宿命との葛藤、愛憎がテーマである。やや説明的ではあるものの、女性性への自覚と内面表現への果敢なアプローチが伺える。教員コメント単純な立方体に廃墟のように崩れた部分が介在する粘土作品には、硬さや重さを感じさせる表現と鋭くも脆さを感じさせる表現の対比が明快である。堅牢な構造に脆弱な内面が宿る私たちの精神や社会を示唆し、デッサン同様の緊張感を孕む納得の力作となった。彫刻《一般選抜》

元のページ  ../index.html#39

このブックを見る