入試ガイド2022
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日本画油画版画彫刻工芸グラフィックプロダクトテキスタイル環境メディア芸術情報芸術学統合演劇舞踊劇場美術一般選抜■■教員コメント木炭紙全面に堂々と描かれた自画像。一定レベルの描写力とともに、木炭の特性をよく理解し、確かな筆致と色調に幅を持たせて、髪の毛や眼鏡、レンズ、不織布などの質感が上手く表現されている。物質に対する感応性に優れ、何より眼鏡越しの眼差しをしっかりと描き込んでいて、存在感のあるデッサンとなっている。教員コメントテーマとして堅牢な素材ではない「紙や絹の修繕」の記事をテーマにデッサンしており、紙のしわ跡と自画像の質感が上手く表現されている。首から下のつながりをもう少し追っても良かったと思うが、全体的にバランスの良いデッサンに仕上がっている。教員コメントテーマに選んだのは「ホスピス」である。母体に抱かれる子供のイメージであろうか、立ち上がる流動的で波の様なフォルムに小さな小舟?が浮かんでいる。優しさが直に伝わる作品ではあるが、モチーフの「抽象化」に拘るあまり、面と線の処理がやや説明的になってしまった。もう少し自由奔放さがあってもよい。教員コメント構成に関しては弱さを感じるが、切り取られた断面が外側と内側の関係性を粘土で上手く表現している。粘土は可塑性の強い素材であるためにエッジの効いた表現には不向きではあるが、執着を持って造形している姿勢が作品に反映されている。彫刻《一般選抜》

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