入試ガイド2022
60/156

日本画油画版画彫刻工芸グラフィックプロダクトテキスタイル環境メディア芸術情報芸術学統合演劇舞踊劇場美術一般選抜■■教員コメント水中から水面を見上げながら上昇していくという視点のおもしろさに加え、表情を省略され、肌色とブルーの水着だけで表現された女性のフォルム、すがすがしい泡の表現など、作者のたしかな個性を感じさせる新鮮な表現が、この作品に入試課題を超えた価値を与えている。教員コメントマグロの競りを描くというアイデアとそれを作品に落とし込んだ描写力、構成力を評価したい。緑基調の画面に、オレンジ・黄色を差し色として加えているのがたくみである。また、指先で表現された1、2、3もおもしろい。「Ranking」の文字を斜めにレイアウトしているのも効果的である。教員コメントこれまでに登場した色彩構成にはあまり例のなかった、コラージュを思わせる新鮮な表現手法にあえてチャレンジしていることをまず評価したい。任意に分割された水平垂直の画面に比率と描写の上で抑揚を与えることで画面を作っている。また、オレンジの蛍光色が新鮮な印象をうまく生みだしている。教員コメント数字を模した建物に入ろうと列をなして並んでいる人物群が描かれている。彩度と明度を巧みにコントロールされ、遠景の数字を浮かび上がらせている。その描写の方法を含め、完成度の高い、大人びた作品である。作者がすでに自分の作品世界を確立していることが感じられる。

元のページ  ../index.html#60

このブックを見る