入試問題集2022|多摩美術大学
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29[教員コメント]螺旋状の形態と延長された手の動きが上手く表現出来ている。大きなプランとしては考えられてはいるが、手のひらに乗ったSDカードと指先の表現との関係性など、質感を可塑性のある粘土でどのように表現出来るかが今後の課題になると思う。デッサン立体造形共にテーマを意識した内容で本人の作家性を感じた。[教員コメント]主体のキューブと客体のドロドロとの関係性の揺らぎを与えている考えられた立体造形だ。質量を持っているキューブが下から持ち上げられている表現は像に垂直性の動きを与えており、作者のイメージ展開への巧みさがうかがえる。主体と客体とが質感的なコントラストを強く意識して制作出来れば、テーマをより強く表現できたと思う。※立体造形・デッサンは同一作者の作品を掲載しています。[教員コメント]先ずは大きな画面構成の中から生まれる動きが上手く意識されている。テーマはデジタルクローンに関しての記事であったのだが、自画像では皮膚が剥がれていく物語性を秘めたデッサンで、イメージを画面の中では飛躍した形で展開出来ている。木炭のグレートーンがもう一色欲しいところではあるが、人体構造をきちんと理解しており、大胆な構図で破綻の無いデッサンである。[教員コメント]木炭の描写方法を理解しており、全体を覆うような髪の毛の大きな表現から眼鏡の奥にある瞳の細かな描写まで視線が誘導される。襟元の奥行きと顔の距離感も破綻が無く、デッサン力の高さを感じる。テーマとなった「構造の単純化、埋もれた教訓」という部分から想起したイメージを大胆に画面の中に展開して欲しかった。

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