入試問題集2023|多摩美術大学
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131[教員コメント]落花生を大きく中心に描いたインパクトある構図です。手、全体を描いていないにもかかわらず手の存在感がある回答となっています。落花生の殻のパキッとした質感と柔らかな指の質感の描き分けが出来ています。爪の硬さが表現されると更に良かったです。しかし、記憶に残る回答です。[教員コメント]ドラマチックな陰影ある空間表現の回答です。不自然に落花生を割る左手と、その下に落ちる空虚な殻と豆、そして不気味な手の影。暗い中の落花生を取ろうとしているのか、届かないのか、伸びた右手がまるで同じ人の手には思えない違和感。そんな、どこか忘れられなくなるような印象的な作品。[教員コメント]大胆な構図が潔くて効果的です。受け取る手と、落花生を差し出す手の間には、神々しい光が感じられます。この落花生は、何か聖なる贈り物なのでしょうか。そんな物語を想像させるような回答です。ただ、少し遠近感が感じられませんから、空気感が描かれれば更に評価が高くなったでしょう。[教員コメント]指に殻を引っ掛けて、豆を親指と薬指で摘んでいる不自然ながらもユーモラスある回答です。しかし、デッサン力があり、手の骨格がしっかりとしています。柔らかな光の中でありながら、殻の質感も手の質感も良く描かれています。背景の空間にも表現があれば、もっと際立った仕上がりになったでしょう。[教員コメント]画面に流れがあり、まとまった構図。良く手を観察して描かれたデッサン。殻を割った細かな破片が飛び散っているのがアクセントになっている。もっと大胆に、左側の空間に散っていっても面白い出来になっただろう。掌を転げ落ちる豆も、もっと元気があると良い。真面目に取り組んだ回答。[教員コメント]ストーンヘンジのように並ぶ落花生の中心にスポットライトがあたり、まるで何かの儀式が行われているような回答です。落花生の大きさと手の大きさは、観察デッサンではサイズ感を間違えていますが、想定デッサンとしてはかえって効果的に表現されています。何かがおきそうな気配が感じられます。

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