入試問題集2023|多摩美術大学
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52[教員コメント]「手と紙コップ」という設問に対して、複数の紙コップを使い手で積み上げている楽しいシーンが描かれています。画面全体を空間として捉え、奥行きを感じるテーブルの表現や紙コップの細部にわたる描写が評価されました。紙コップの立体感や色、楕円形状やパースに多少の技量不足は感じますが、上記評価がそれを上回りました。[教員コメント]紙コップを液体を入れる器ではなく、背景にあるストーリーから風車にアレンジした事で、手との関わりの深いシーン描写ができている作品です。実際の経験から来ているのか羽根部形状の微妙なR表現や風で回るために必要な角度調節の切り込む深さに変化をつけるなど、細部にわたる観察力が評価された作品です。[教員コメント]想定鉛筆デッサンに重要な構図や形状描写に高い技量を感じる作品です。加えて、多少トリッキーで有りながらも魅力的なシーンを選定し描写する力は、今後のプレゼンテーション能力に繋がるスキルだと考えます。液体表現や指の力で紙コップにヒビが入った表現はイラストレーション的になっていますが、誇張がユニークで印象深いです。[教員コメント]画面全体の印象として、奥行きに見合った強弱と大小で適宜な空気感を創り出している作品です。ジュース等が入っているオレンジ色のストライプ入り紙コップ、ジャバラ付きの樹脂ストロー、少し乳白になった樹脂蓋、全ての色、状態、素材感が巧みに描き分けられています。加えて構図の安定感と手の力強い表現が評価されました。

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