入試問題集2025|多摩美術大学
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98[教員コメント]風船を引っ張ることで、Z型の構図になっているところが、他の解答の構図と差別化されていて新鮮であった。左手は陰影も丁寧に描かれていて、皮膚感も秀逸で骨格や関節もとても正確である。それに対して右手の親指の形状が不自然で、そこをしっかりと描いて欲しかった。残念。[教員コメント]小さい頃に遊園地で見た風景だろうか。風船売りのピエロが持っている風船を仰ぎ見て、「風船欲しい!」と言っている声が聞こえてきそうな作品。風船の紐が画面手前に伸びている構図が、遠近感を強調している。子供心に憧れている様を表現するために、太陽光や空の明るさを利用して眩しい光の中に浮かぶ風船が描けていれば、もっと表現力がアップしたであろう。[教員コメント]画面からはみ出すような、大胆な構図がインパクト大。風船をささえる手に良い意味での緊張感がないところが、風船の軽さが表現されていていい。風船の下側の陰の部分は反射も描かれていて艶感があって良いのだが、ハイライト部分のシャープな線が風船の柔らかさを阻害していて残念。手はふっくらとした質感がいいが、もう少し陰影が描かれていたら更に完成度が増しただろう。[教員コメント]風船を結ぶという、難しい構図に挑戦したことを評価する。全体構図もいいし、手の質感も描けているが、関節の曲がり方と、骨格の構成の不自然さが残念。風船も陰影のグラデーションを描ければもっと滑らかな丸みが表現できただろう。とても力量がある人なので、観察力を高めて臨めば高い評価が得られただろう。

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