絵画学科 版画専攻一般選抜総合型選抜学校推薦型選抜デッサン「静物」/コラージュ「写真」1172つの異なる種類の布を大きなリボンのように配置することで生まれたリズム感が魅力的です。平面的な布を量感のある塊のように表現し、ガラスコップとは異なる質感を持つ立体的な空間を画面内に作り出し、質感の異なるモチーフを豊かなトーンで描き分けることに成功しています。3つのモチーフを組み合わせて奥行きある空間を作り、各モチーフの特徴を捉え、質感を描き分けようとしている点が評価できます。画面の中で手前の縛った布と奥のガラスのコップは見せ場としてしっかりと描けていますが、布の質感がもう少し柔らかく描かれていると、さらに完成度が高まるでしょう。繰り返されるパーツあるいはそれに準じた素材を利用し、イメージの複数性と時間の流れについて深く考察され効果的に表現されている作品です。制作者の集中力がうかがえる繊細な手法は、実像が抽象へと転換されています。イメージの固定化を解放し、その刹那を捉えているようにも感じられ、見応えのある作品に仕上がっています。編集方法としての写真の効果4種を、4つの部屋に区分し表現され、全体の透明性を保ちながらまとめられた作品です。このテーマを統一するキーワードは窓。部屋の内と外を堺に起こる現象は、中央に窓枠を用い構成することで共鳴し、言葉では表現できない調和と共に、自由な空間が展開されていきます。[教員コメント][教員コメント]選択Bの科目「コラージュ『写真』」は、これまでの描画を中心とする造形表現とは異質の造形感覚を評価する課題で、写真を選択する感覚や、選択された写真から発想する力、それら写真を編集する力、そして画面に構成する力などを採点対象としています。「面接」では、これまで制作した提出作品を前に何を考えて制作し、大学入学後どのような研究を行いたいのかを面談し、それを評価します。「小論文」では、大学における教養教育を修得するうえで必要な基礎力を幅広く有しているか、自身の考えを的確に文章として述べているか、版画に対する興味、関心の高さがテーマ設定、文脈からうかがえるかなどを評価していきます。[教員コメント][教員コメント]総合型選抜では、一般選抜で評価しきれない「能動性」「広い視野と個性」をもった意欲的な人を求めます。新しい表現と出会いたいと思うこと、自分から動こうとする力が自立した表現者としての道筋になると考えています。そして作品と向き合っていくなかで培われていく思考力や持続力が自らの社会性を養うことになります。さらに、高等学校等とも教育的な連携を進めながら、真□な姿勢で制作と向き合う個性豊かな人材の発掘をめざしています。総合型選抜では、選択科目A/B、面接、小論文の三つを総合的に審査します。選択科目では、従来の基本的な描く力を評価する選択Aの科目「デッサン『静物』」とともに、多様な版画技法の一つである写真表現にかかわる力を審査する選択Bの科目「コラージュ『写真』」が設定されています。選抜方針
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