入試問題集2025|多摩美術大学
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135作品絵画学科 油画専攻一般選抜総合型選抜学校推薦型選抜 (文責=髙柳恵里教授)(文責=諏訪未知講師)[教員コメント]作者は、この作品について「何かが起こりそうな予感のような感覚を描いている」と面接試験時に説明をした。縦長の板が二枚合わさった支持体に描いている事も効果的に見えた。走り出そうとしている少女の形(?)の真ん中で画面ごと引き裂かれているような、不安感や焦燥感を静かに□るような魅力的な絵だと思った。(文責=千葉正也准教授)[教員コメント]表情の見えない横たわる人、2枚のついたて、その奥の机の上には風景を映すモニターが置かれている。このどれが欠けても画面は平板になり、このふっくらとした柔らかな空間は感じられなかっただろう。巧みな構造とおおらかな描写が、簡単な了解を拒む魅力的な画面を生んでいる。[教員コメント]人間の表現、特に顔の独特な表現に魅力が感じられる作品である。人のあり様をどのように捉えるか、その思考がうかがえる。ただ、人間についての作品の追求というだけでなく、様々な絵画的な試みもなされている。特に画面における色彩の置かれ方や筆跡には、潔い決断を感じる。人物を対象としなくとも面白くなるかもしれない。

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