彫刻学科一般選抜総合型選抜学校推薦型選抜立体造形・デッサン33[教員コメント]新商品の未来を万博に□ける記事。作者はこの記事を「本気で遊んでいるよう」だと捉えた。デッサンでは、自身の奔放に遊ぶ姿を幼少期の記憶になぞらえ、精巧な筆致で描いている。全体にバランスもよく、目を引く作品である。対して立体はやや散漫な印象で、もう少し主題を整理した方がよかった。[教員コメント]「寒波」というテーマのもとに制作されたもので、作品全体からは作者の優れたデッサン力と造形力が随所に感じられる。特に立体造形においては、冬の空気に触れた際に自然とこぼれる白い息のイメージを独自のフォルムと粘土のテクスチャーによって表現出来ている。層状に重なった粘土の表面は、まるで地層のような風合いを持ち、そこに息のかたちが浮かび上がることで、「吐息」という現象に確かな物質感や存在感を与える不思議な造形表現だ。また、デッサンにおいても立体造形とのつながりがしっかりと意識されており、テーマの一貫性が非常にうまく保たれている。意図の明確さと表現技術の高さが両立した作品であり、今後の制作においても、こうしたテーマの掘り下げと造形的アプローチの発展が大いに期待される。
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