入試問題集2025|多摩美術大学
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34[教員コメント]新聞の記事から探し出した言葉から展開し、自身の物語を紡ぎ出した作者。一枚のデッサン、または一つの造形物の中で時間の流れや場面の展開を感じさせ目に留まりました。ピーナツの内部に顔が二つある、ただそれだけの構成ですが、造形の中に動きがあり、短い時間にもかかわらず作者の世界観を伝え切っています。[教員コメント]不機嫌の考察についての記事を選択し、自身の経験を交え制作した作者。不機嫌そうにも見えるが何とも形容しがたい表情の自画像。右耳付近と胴体部の描き込みは物足りないが、画面に向かって右側のやや広めにとった空間と、受け手の心状で様々な解釈ができそうな表情が秀逸な作品である。立体造形では不機嫌が連鎖する関係性を抽象形態として巧みに表現しており、造形力の高さが窺える。

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