入試問題集2025|多摩美術大学
55/172

生産デザイン学科 プロダクトデザイン専攻一般選抜総合型選抜学校推薦型選抜鉛筆デッサン/色彩構成53鮮烈な「赤」が印象的な作品です。トップビューの画角から視線が導かれていきます。光源の方向や繊細な線・面の表現が巧みに交錯し構図は平面的でありながら、舞い落ちる花びらや強い陰影が屋外の空気感を演出しています。視覚的な「平面」を超え豊かな「空間」の広がりを想像させる作品です。都会の喧騒から少し離れた長閑で穏やかな場所だろうか。静かな色使いで構成しつつ不思議とぬくもりを感じさせる描写が心を惹きつける作品です。左側の束はほどけた紐なのか作業中なのか。見る側に想像力を与える表現が静けさの中に動きを感じさせます。自然の中の人間の営みまでも想起させる作品です。[教員コメント][教員コメント][教員コメント]設問の「束ねる(たばねる)」に対して単純に事象に留まらず自然現象にまで表現の意識の幅を持つ作者の想像力に熟度を感じる作品です。□びた時計に絡まる蔦。朽ち落ち止まった時計と成長し続ける植物のコントラストを「時間を束ねる」という解釈で独自の世界観に纏められたことが評価されました。[教員コメント]まず目を引くのは、飛び込んでくる子どもの赤い傘。その持ち手には可愛らしいマスコットキャラクターが結ばれ、雨の日さえ楽しんでしまう元気いっぱいの子どもの姿が自然と目に浮かびます。滴る雨粒も細かく描写し傘というモチーフを通して人間の情景や物語を想像させる力に優れた印象的な作品です。

元のページ  ../index.html#55

このブックを見る