74[教員コメント]カードのしなり、光の映り込み、潰れて平面的になった指の腹、仕切られた空間など、透明のプラスチックカードというモチーフを冷静に観察し、見い出した特徴を活用して構成しようとした意図が感じられる。この点を高く評価した。[教員コメント]指付近のハイライトと、手の甲に落ちた影から察するに、光に対してカードをかざしているところだろうか。それは太陽かもしれないし、何かを認証するスキャナーライトかもしれない。物語性を感じる作品であり、作者本人の一人称視点の構図によって臨場感が生まれている。[教員コメント]このデッサンの構図は動きを抑えており比較的静かである。一方で、陰影のトーンを繊細にコントロールすることで、カードを挟み込んでいる指の間に生じている微細な空間を魅せることに成功しており、静かながらも見応えのある仕上がりとなっている。[教員コメント]手の内側とカードとの間に生じている、洞窟のような暗い空間に目を奪われる。カードを支える指先には繊細な力がかかっているのだが、強い陰影も相まって重厚な雰囲気が生まれている。そのような、繊細さと重厚さが共存する興味深い作品である。
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