入試問題集2025|多摩美術大学
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演劇舞踊デザイン学科 劇場美術デザインコース一般選抜総合型選抜学校推薦型選抜鉛筆デッサン97[教員コメント]3個の風船の構図が楽しい解答。飛び回っている風船がリズミカルでありながらもユーモアが感じられる。手に持っている風船には、試験会場の蛍光灯が映り込んでいる様子が描かれていて、観察力に優れている。が、ゴムの柔らかさをもっと描けていれば更に良かった。手のひらの皺と柔らかな質感もよく描かれている。[教員コメント]風船の上部に光源があり、柔らかな透過光が手のひらを照らしているのだろう。結び目の影が落ちていて、透過光による柔らかな皺の陰影が不思議な感じがして、しかし効果的な照明表現になっていて一種の発明的な発想。手の表現力は今回の解答の中で一番良かった。惜しいのは、風船の結び目の表現が不自然で、構図のセンターにあるので少し気になる点である。[教員コメント]ゴム風船の柔らかさや弾力、反射光がとてもふんわりと描かれている。風船を押さえる手も、筋肉の緊張感、関節の自然さ、柔らかな皮膚感、どの表現も秀逸であり見ていて気持ちの良くなる作品である。構図がとても安定感を持っているのも、背景に薄く影が描かれていて、それによって安定感が増している。柔らかさの描き分けがとても巧みな秀作である。[教員コメント]今回の参考作品の中で、最も大胆な解答。ハイスピードカメラで撮影した、風船が割れて飛び散る瞬間のシーンのアイデアがいい。手前に大きく描かれている手は、陰影を巧みに使って、筋張った手がとても印象的でインパクトがある。手前の手に比べて、奥の手のサイズが小さくて、距離感に違和感がある。そこが丁寧に描かれていれば、更に評価が高かった。

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