12[教員コメント]人物の量感や重心を的確に捉えつつ、色彩によって肌や衣服にやわらかな温度が宿っています。わずかに緊張を含んだ視線と口元の抑制された表情が、内側へ向かう静かな意識を感じさせ、画面に深みを与えています。一方、鉛筆デッサンでは手とモチーフの関係を軸に、線と陰影の併存によって質感や距離が説得力をもって表現されています。いずれも観察の深さと構成力に支えられた、密度の高い視覚的実感が魅力です。[教員コメント]デッサンは、ものの配置に疎密を作り、白い紙の明るさによって視線を誘導する演出が光り、みかんの丸みや柔らかさとペットボトルの硬さの質感の対比も魅力的だ。水彩は、背景と同色をモチーフにも自然に取り入れて奥行きを出した画面左に対し、構図の上で広く空いてしまう画面右上には、人物の力強い表情と呼応するような思い切った刷毛跡を残して手前に意識を向けるなど、空間の処理が巧みである。鉛筆と絵具、それぞれの画材による描写もうまく噛み合っている。
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