22(文責=菊地武彦教授)(文責=千葉正也准教授)[教員コメント]油彩の問題に提示された抽象的な言葉に対して、作者はどのように応答したのだろうか。おそらく多くの場合、黄色い何かを想定し、構成やイメージを組み立てながら絵作りを考えるだろう。しかし作者の選んだ答えは違った。頭の中にある限られた情報よりも、目の前にある現実の感触を信じたのである。試験会場の無機質なモノクローム空間に差し込む、わずかに春めいた陽の光の中に、作者は「黄色」を見出した。何もないように見える場所をじっと見つめ、そこに微かな気配を捉えようとする姿勢に共感を覚える。デッサンは、白の扱いがやや硬く色の幅がもう少し欲しいが、全体として堅実な仕事である。モデルの特徴や空間の関係性を的確に捉えており、確かな観察力が感じられる。[教員コメント]デッサン、油彩ともに明るめのトーンで抑えられつつ丁寧に描かれた絵だと思いました。油彩の、右から斜めに入った影のもたらす心理的な効果とシュールレアリスティックに突然室内に現れた月(?)=黄色と、それらの存在の異質さに居場所を失いかけつつ座っている人物。言葉では説明し難い状況がしっかり描かれていて魅力的な絵だと思いました。
元のページ ../index.html#24