68[教員コメント]粘土で表現したそのマテリアルは、水面から突出する液状のものか、あるいは砂漠から噴火する煙か。抽象性が高いがために、一見デッサンとは距離をおいた表現にみえながらも、傾いた画角からは、その視点が表面上に浮かぶレンズを意識した写実的描写の取り組みを読み取ることができる。[教員コメント]粘土をちぎる際の偶然生まれる指跡に着目することで、課題である「動き」を表現している。粘土に指を複数回めり込ませることで立体感を与え、陰影を生み出し、質感を表した描写力を示している。構図も粘土全体から一部を切り取ることによって、そのスケール感に想像力を与えている点も独自性を感じられる。[教員コメント]曲線の組み合わせで螺旋のような運動を作り出すダイナミックな画面である。粘土が千切れる物質感がよく描写されており、作者の確かな観察眼を示している。螺旋状に伸びてゆく生命体、あるいは次元を超える運動体を感じさせ、映像作品にもなりそうな気配すら漂わせる。構成力と描写力がマッチした佳作である。[教員コメント]なにか筒状の長い物体の、一端が爆発するかのように弾けている。奥から手前へのダイナミックな運動と、それを明瞭に伝える構図の設計が素晴らしいと思う。またそうした奥行きのある難しい構図をしっかりとした描写力・観察力が下支えしていることがわかる。非常に高い技術と洗練を感じさせる作品だ。
元のページ ../index.html#70