tonATELIER_Vol.01
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ことを言っていますが、当時はめちゃくちゃ凹みました。アーティストになりたいと思っている高制作は山梨のアトリエでやっています。倉庫を兼ねた大きめな一軒家でね。そこで映像の編集、音作り、樹脂も作るし。それぞれのための部屋がいっぱいあるアトリエです。そのアトリエで制作をして、打合せは東京に戻って、という生活です。忙しい時は、寝ている間以外はすべて作品づくりに時間を費やすということも多々あります。とはいえ、気持ち的にはアトリエにずっとこもるということではありません。社会を観て、そこから吸い込んだものを作品として吐き出す。それがアーティストです。それからもう一つ、相模原にもアトリエがあります。僕は、ボイスプランニングという集団に所属しているんですが、メンバーはこの相模原のアトリエで各々の制作活動をしています。経済的には不安定だけれど、とにかく制作を続けたいっていう人達の集団とでもいうんでしょうかね。みんな、前向きに芸術と向き合っていますよ。相模原にある共同スタジオの3F部分。国内外のアーティストを招いて展覧会を企画したり、展示のシミュレーションなどに使用している。2Fは同じ床面積で、作業場となっている。 個人専用スタジオの机の上。展示の形態がその都度違うために、様々な材料を使用する。山奥の民家を改造し、用途別の部屋が10部屋ある。 僕が生まれ育った茨城県にある“水戸芸術館”は、1990年の開館当初から現代美術に特化した美術館。ですが、かつては小学校だった場所に建てられた美術館なので、その頃はサッカーの試合で度々行ったこともあり、僕との繋がりは深いんです。美術館になってからは何度も訪れ、色々な芸術品に触れました。おそらくそれが、芸術に対しての僕の原体験となっているんだと思います。My affected goods芸術に対する思いを育んでくれた愛すべき水戸芸術館同級生とは、すごい量の情報交換をした。それが卒業後、とても役立ちましたね。

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