tonATELIER_Vol.01
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Gties' raduamessage vol.1 / Yosuke Amemya校生って、結構、たくさんいると思います。でも、どうすればアーティストになれるかっていう質問には、おそらく答えられないですね。ただ、僕がしてきたことを話すとしたらこんなことが言えます。美大生だった頃、こうすればアーティストになれるという術を知らなかった僕はすごく不安で、その不安を解消するために同級生同士ですごい量の情報交僕が卒業した当時は、1週間20万円とか30万円で画廊を借りて個展を開くというのがスタンダードな時代でした。が、僕にしてみれば、そんなお金があったら新作づくりに回したいわけです。だから、景品が「新作発表の機会」であるコンペには積極的に出しまくりました。結果的に1年に12本くらい展覧会をやったように記憶しています。現代美術だったら、岡本太郎賞とか色々な公募がありますから、そういうものに応募して、お金も稼ぎつつ名前も売っていくという方法もあるでしょう。しかし、いずれにしても「これをしていればアーティストになれる」という決め手はありません。大学で4年間、ほとんど誰とも口をきいたことがないという人が、4年間で作り溜めた作品を他人に見せた時、他人に大きな感動や衝撃を与えたりして、結果としてアーティストになるという場合もある。だから、一概に「こうすれば…」とは言えないんですよ。でも一つ言えることがある。それは、どんなシチュエーションであっても「運」と「努力」という2つは絶対的に大切だということ。僕は、その言葉を信じて制作活動を続けています。換をしました。サークルとかに入っていたら、先に卒業した先輩達に相談もできただろうし、社会の状況も把握しやすかったんでしょうけれど…。僕はサークルに入っていなかったので、正直、先輩に相談できる人を羨ましいと思ったこともあります。だけれど難しいのは、そうやってうまくコミュニティーを作れたり、渡り歩いて情報収集ができたからといってアーティストになれるかというと、そうではないところ。■■■■■■■あめみや ようすけ・1975年茨城県生まれ。1999年多摩美術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。主な個展/『ムチウチニューロンTEAM :Tokyo Wander Site: EmergingArts on Mezzanine 13』トーキョーワンダーサイト渋谷、2005『THE WORLD』BOICEPLANNING、主なグループ展2010『六本木クロッシング2010展・芸術は可能か?』森美術館

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